Vol.8 10月21日号「成果発表会を振り返って」
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====================2005.10.21 Vol. 8=====================
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│PSコラム│
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│ 成果発表会を振り返って │
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◇去る9月28、30日、NITEの日頃の業務成果を披露する「生活・福祉
技術センター成果発表会」を東京と大阪の2会場で開催した。昨今の安全・
安心に対する関心の高さを反映してだろうか、両会場とも昨年度を上回る参
加者を記録した。
◇例年と同様に、発表会の参加者の多くは製造事業者であった。消費者関連団
体や行政関係者も多いが、比率としてはダントツである。そして、各テーマ
発表後の質疑応答でも、製造事業者の立場から熱のこもった意見や行政側へ
の要望などを聞くことができた。
◇そこで、今回の成果発表会が、重要な役割の一つである意見交換の場として
の機能を十分発揮できていただろうかと気になった。
◇ポスターセッションという場は設けられてはいたが、果たしてそれで十分だ
ったのだろうか。立場の異なる者が様々な意見を交え、考え方を相互に共有
し合うことによって製品安全の向上が図られるのだとすれば、事業者や消費
者団体、行政といった各分野から有識者を集め、「パネルディスカッション」
という形をとりながら会場全体を巻き込んだ議論を促すという方法もあった
かもしれない。
◇一運営スタッフとして「単なる成果を提供するだけの場ではもったいない」
と思わずにはいられない熱気あふれる発表会であった。来年度も、より参加
者に有意義だったと感じてもらえる発表会を目指して、取り組んでまいりた
い。
(発表会運営スタッフ)
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目次
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1.消費生活用製品の事故防止について
第8回「誤使用事故防止の考え方のポイント」
2.事故情報
・消費生活用製品の事故情報収集状況(10月3日~10月14日受付82件)
・電気ストーブ(ハロゲンヒーター)の事故
・消費生活用製品以外の事故(1件)
3.社告情報(5件、ハロゲンヒーターに関する過去の社告情報8件)
4.NITEの製品安全情報
・誤使用事故防止対策の考え方についての説明会
5.関係機関の製品安全情報
・石綿(アスベスト)を含有する家庭用品の実態把握調査の結果について
(第2回報告)経済産業省
・第1回JASPA福祉・生活支援用具産業フォーラム 2005 開催
日本福祉用具・生活支援用具協会
6.編集後記
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1.消費生活用製品の事故防止について
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第8回 「誤使用事故防止の考え方のポイント」
第4回~第7回まで、事業者が自社の製品を見直す際、どのような視点で検
討すべきかについて解説してきたが、今回から、誤使用事故防止のための具体
策について解説していくこととする。
◇(11)「リスク・アセスメント」
・事業者が製品の安全確保のための設計対応等を実際に行うためには、製品
のどの部位に危険が存在し、その危険の程度についてリスク・アセスメン
トを行う必要がある。このリスク・アセスメントに取組むことなく、事故
の発生後に改善策を検討するのでは、抜本的な安全対策を講じることがで
きない。
・リスク・アセスメントの流れをa.~e.に示す。a.~e.を終了した後も、常
に、新たな事故やクレームの可能性を想定・把握する姿勢を保たなければ
ならない。
a.製品が日常生活で、どのように使われるかを想定し、一般的な消費者で
あれば起こり得る「予見可能な誤使用」のパターンを可能な限り抽出す
る。この場合、消費者の属性、使用環境、製品の使用期間、用途等につ
いて広めに想定する。
b.このパターンごとに、製品のハザードを洗い出す。ハザードとは、例え
ば、高温の部位、高電圧の部位、手指を押しつぶす可能性のある部位等
(危険源)を指す。この場合、NITEの事故情報や同業他社の過去の
事故情報等も参考にする。
c.ハザード毎に、事故が発生した場合の被害や損害の大きさと発生確率に
ついて、最悪時を想定しリスクの大きさを見積もる。
(被害の大きさ)擦り傷程度から、重傷、死亡までの被害
(損害の大きさ)軽微な不具合、修復にコストのかかる事故やトラブル、
火災など周辺への影響など
(発生確率)事故の起こる可能性を、小・中・大などに分類
d.これらを整理した上でリスクの評価を行う。そのリスクが、社会的な常
識に照らし、許容される範囲であるか否かを判断する。許容される範囲
であるか否かの判断は、事業者のみの判断で行うのではなく、常識に照
らし、幅広く考慮した上で判断する。
e.リスクが許容できないと判断された場合について、リスクの低減を行う
ため、具体的な安全対策を検討する。許容可能と判断した場合でも、残
ったリスク(残留リスク)の内容、程度について、消費者への伝達手段
を検討する。
< S.N >
※「消費生活用製品の誤使用事故防止ハンドブック」より
(第9回に続く)
☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/
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2.事故情報
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◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況
(10月3日~10月14日受付82件) ◇◆◆
NITEに通知のあった事故情報を傾向として集計しています。
(件数の多い順に5製品)なお、事故原因については現在調査中です。
製品名(事故状況と件数) [前号比(件数±)]
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1. ガスこんろ (火災10件) [- 1]
2. 直流電源装置 (火災8件) [+ 8]
3. 玩具(はちまき) (負傷5件) [+ 5]
3. 四輪自動車 (火災5件) [+ 2]
5. 自転車 (転倒等4件) [+ 3]
(*)消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。
◆◆◇ 電気ストーブ(ハロゲンヒーター)の事故 ◇◆◆
朝晩が肌寒くなってきました。そろそろ暖房器具を使い始めているご家庭も
多いのではないでしょうか。今回は、ハロゲンヒーターの事故について調べて
みました。
NITEで平成15年度、平成16年度に収集し、調査が終了したハロゲン
ヒーター関連の事故は、それぞれ20件、291件でした。事故原因別の内訳
は以下になります。
◇事故原因別内訳 (件)
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[事故原因] [平成15年度] [平成16年度]
・設計不良 1 1
・製造不良 9 278
・品質管理不十分 3 2
・設計不良+消費者の使い方 1
・業者による輸送中の取り扱い不備 5
・消費者の誤使用 1
・消費者の不注意 2 2
・原因不明 3 1
・調査不能 1 1
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NITEに寄せられた、社告回収等がなされたハロゲンヒーター関連の事故
情報の主な原因は、「ダイオードの部品不良による発熱、発火」や「ヒーター
部の不良によるガラス管の破損」等です。これらは、死亡、重傷事故等の重大
事故は少ない傾向にありますが、事故は多発しています。参考に、平成15年
以降のハロゲンヒーターの社告情報を『3.社告情報』に載せました。お手持
ちのハロゲンヒーターを是非ご確認ください。
消費者の誤使用、不注意による事故では、毛布やカーテン等が接触して出火
したとみられる事故や、干していた洗濯物がヒーター部分に落ちて出火したと
みられる事故などがあります。ハロゲンヒーター以外の電気ストーブと同様に、
可燃物の近くでの使用や、就寝中の使用などはしないでください。
【参考】事故情報特記ニュース
No.54 電気ストーブなどを使用するにあたって(注意喚起)
http://www.jiko.nite.go.jp/news/054/news54.html
No.66 電気ストーブ(カーボンサークルヒーター)の事故について
http://www.jiko.nite.go.jp/news/066/news66.html
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◆◆◇ 消費生活用製品以外の事故でこんな事故がありました ◇◆◆
◇『滑り台で遊んでいた幼児が指を切断』 (10/9・福岡県)
滑り台で遊んでいた1歳8ヶ月の幼児が手すりの破損部分に指を挟み、切断
した。滑り台はステンレス製で、滑る途中の左側の手すりと側面の溶接部分が
一部外れ、そのすき間に左手の人さし指を挟んだとみている。
■━━事故情報の検索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
■━━製品の事故情報をお寄せください━━━━━━━━━━━━━━━━■
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp
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3.社告情報
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◇平成17年10月11日 サンスター技研株式会社「自転車(電動アシスト車)」
ごく稀に電動アシストユニットが故障し、アシスト機能が停止する現象が発
生することが判明した。この故障状態で、別のバッテリを装着しスイッチを押
した場合、駆動補助用モーターがペダルを踏まずに僅かな時間回転する異常動
作がこれまでに2件発生した。最悪の場合、ペダルをこがなくても自走し、人
が怪我をしたり物を破損したりする恐れがある。(無償で部品交換(制御基板))
◇平成17年10月13日 株式会社バンダイ 「玩具(ねんど)」
ねんど部品に、針状の金属片が混入している可能性があることが判明した。
(無償で点検)
◇平成17年10月14日 株式会社山善 「いす」
座面裏側のナット部分に一部不具合があり、座部の外れる可能性があること
が判明した。(無償で製品交換)
◇平成17年10月14日 ボーズ株式会社 「スピーカー」(再社告)
天井または壁より吊り下げるオプション金具をスピーカー本体に取り付けて
使用の際、スピーカー本体のネジ穴部分の部品(ナット)が強度不足により破
損し、落下につながる可能性のあることが判明した。(平成15年2月17日
に行った社告の再社告)(無償で点検・修理(部品の交換及び補強))
◇平成17年10月15日 日本ヒューレット・パッカード株式会社
「ノートパソコン用バッテリー」
製造上の不具合のため極めて稀に、バッテリパックの過熱、変形、発火など
が発生する可能性のあることが判明した。(無償でバッテリパック交換)
◆◆◇ ハロゲンヒーターに関する過去の社告情報(平成15年以降)◇◆◆
◇2003/02/01 株式会社アイアン
◇2003/02/28 大宇電子ジャパン株式会社
◇2003/04/23 株式会社フジコー
◇2004/01/07 三ツ星貿易株式会社
◇2004/02/10 株式会社アイアン
◇2004/10/13 株式会社山善
◇2004/12/14 株式会社日本ビネガーボトラーズ
◇2005/07/12 東邦金属工業株式会社
■━━━NITE社告情報のページ━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
【過去半年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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4.NITEの製品安全情報
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◆◆◇ 誤使用事故はすべて消費者の責任と考えていませんか? ◇◆◆
NITEでは、工業会等の団体を通じ、消費者の安全確保の観点から事業者
がとるべき誤使用事故防止対策の考え方について、説明会を開催しています。
【今後の開催予定】
10/24 軽工業品団体連絡会
11/1 キッチン・バス工業会
11/2,18 財団法人家電製品協会
11/5 社団法人日本福祉用具供給協会 近畿支部
11/7 社団法人日本ホームヘルス機器協会
11/9 大阪府、食の安全・安心大阪府民会議、ACAP(社団法人消
費者関連専門家会議)
11/9 東海お客さま相談研修会
11/14,15 社団法人自転車協会
11/17 日本福祉用具・生活支援用具協会
11/21 大分県消費生活センター
11/24 沖縄商工会議所連絡会
説明会開催の問い合わせは、
業務管理課(電話06-6942-1112)「誤使用事故防止説明会」担当まで。
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5.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ 石綿(アスベスト)を含有する家庭用品の
実態把握調査の結果について(第2回報告)◇◆◆
経済産業省は、石綿を含有する家庭用品(一般消費者が購入する製品)の製
造・輸入等の実態についての調査(8月末時点)を9月12日に公表しました
が、その後新たに寄せられた情報について10月20日付けで公表しました。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/
◆◆◇「第1回JASPA福祉・生活支援用具産業フォーラム 2005」
を開催(有料)◇◆◆
日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)では、福祉用具、生活支援
用具における安全、誤使用、リスク管理を考えるフォーラムを開催します。
【日時】 平成17年11月17日(木)13:30~16:30
【場所】 日本消防会館 ニッショーホール(東京都港区虎ノ門2-9-16)
【定員】 100名(先着)
【詳細】 http://www.jaspa.gr.jp/forum2005-1.html
【問い合わせ先】 日本福祉用具・生活支援用具協会 Tel:03-3437-2623
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6.編集後記
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前号で、体育の日を控えてスポーツ(レジャー)用品の事故事例を紹介させ
ていただきました・・・が、情けないことに、配信の翌日、スポーツ中に骨折
してしまいました。今、松葉杖をついて生活しています。捻挫だと思ってたの
ですが、念のため病院に行くと、足の甲の小指部分が折れていました。職場で
は、自分の体重を支えきれなかったとか、好き勝手言われていますが、適した
靴を履いていなかったことが原因ではないかと。これも誤使用・不注意事故に
なるのでしょうね。
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【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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