製品安全

Vol.7 10月 7日号「社告情報の伝え方」

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         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■          生活・福祉技術センター 業務管理課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

====================2005.10.7 Vol. 7=====================
┌─────┐
│PSコラム│
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      │        社告情報の伝え方            │
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◇NITEでは新聞等に掲載された製品事故に関する社告情報をとりまとめ、
事故情報のページ( http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html )で公開して
いるが、その件数は社会情勢の変化に伴って年々増加傾向にある。

◇最近では、これらの社告情報が事業者のWEBサイトのみで公表されること
も多い。しかし、実際に事業者のWEBサイトを訪れる人はどれくらいいるの
だろう?高年齢層に情報は適切に伝わっているのだろうか?

◇WEBサイトへの社告の掲載は、新聞社告と同様、広く一般に伝えるための
有効な手段の一つである。しかし、それで自動的にすべての消費者に伝わると
いうものではない。社告は消費者に伝わってこそはじめて意味があるものとな
る。新聞社告やWEB掲載以外に消費者に情報を伝える有効な手段はないのだ
ろうか。

◇経済産業省が作成した「消費生活用製品のリコールハンドブック」には、情
報の提供先に応じた情報提供の方法や媒体など、社告等の情報提供方法の決定
に関することが詳細に述べられている。たとえば、情報提供の対象が特定でき
ない場合には、1.新聞社告、2.雑誌等、3.総合カタログ、4.ホームペ
ージ・・・などとある。消費者への適切な情報伝達という観点から、公表手段
について今一度、見直すべきではないだろうか。
「消費生活用製品のリコールハンドブック」をご一読いただきたい。

消費生活用製品のリコールハンドブック
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/contents/recall/recall.htm
                              (編集子) 

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                目次 
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1.消費生活用製品の事故防止について
    第7回「誤使用事故防止の考え方のポイント」
2.事故情報 
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(9月20日~9月30日受付55件)
   ・スポーツ(レジャー)用品の事故
   ・昨年11月に発生した事故の傾向
   ・消費生活用製品以外の事故(1件)
3.社告情報(4件)
4.NITEの製品安全情報
   ・平成17年度第2回事故動向等解析専門委員会を開催
   ・「化学物質と上手に付き合うには」公開のお知らせ
                         化学物質管理センター
5.関係機関の製品安全情報
   ・アスベストを含有する製品を部品として用いた製品を輸入規制
                              経済産業省
6.編集後記
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        1.消費生活用製品の事故防止について
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       第7回 「誤使用事故防止の考え方のポイント」

◇(11)「法令や各種規格の適合性との関係」
 ・安全確保を目的とした強制法規、公的規格(JIS等)は、その行政目的か
    ら規定しているものであり、最下限を定めたものにすぎないことがある。
    その場合、基準を満足したとしても、事業者として安全確保の義務をは
    たしたことにはならないため、注意義務違反や製造物責任法による製造
    物の欠陥を問われる場合がある。
 ・すなわち、これらの基準は、「製品が当然みたすべき最低限必要な条件」
    を示していると考えるべきである。過去の判例においても、道路運送車
    両法の保安基準に適合していた自動車について、基準に適合していても
    欠陥が存在しないことの証明にはならないと示されている。

◇(12)「リスクの社会的許容可能性」
 ・人身事故のような重大な危険に繋がる製品は、社会的に許容できる問題
    ではなく、事業者には確実に製品の安全対策を講ずることが求められる。
  また、事故の程度が軽微であったとしても、広く一般に利用されている
  製品で事故が多発した場合には、社会的には許容されない。
 ・ヨーロッパでは、製品の安全性に関する設計にあたって、リスク(危害
    の程度と発生確率の組み合わせ)を最小にするべきであるという基本
    的な考え方があり、この考え方に基づき、機械製品に関してはEC機械指
    令を頂点とする安全の体系が構築されて定着している。
 ・この基本的考え方は、考えられる危険性(予見可能な誤使用を含むハザ
    ード)を洗い出し、リスク・アセスメントを行い、許容できるリスクま
  でリスク低減を行い、残ったリスクは明確に表示して伝える、という考
  え方である。現在では製品の安全に関するISO/IEC国際標準の安全にも
  この考え方が取り入れられており、国際的に共通に認識された安全確保
  の方策になっている。
                                                     < S.N >

        ※「消費生活用製品の誤使用事故防止ハンドブック」より
                           (第8回に続く)
    ☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/ 

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             2.事故情報
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◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況
                 (9月20日~9月30日受付55件) ◇◆◆

 NITEに通知のあった事故情報を傾向として集計しています。
(件数の多い順に5製品)なお、事故原因については現在調査中です。
                 
    製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
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  1. ガスこんろ    (火災11件)       [- 3]
  2. 潜水具(シュノーケル)(死亡2件、重傷1件) [+ 3]
   . 四輪自動車        (火災3件)        [± 0]
  4. 蚊取り線香    (火災2件)                [+ 2]     
   . 文具(2穴パンチ)(バネ折損による負傷2件) [+ 2]
   . スプレー缶  (破裂1件、のどや目の痛み1件)[+ 2]
   . 冷蔵庫      (火災2件)                [+ 1]
   . カラーテレビ   (火災2件)        [+ 1]
   . 電気洗濯機    (火災2件)                [+ 1]
   . 屋内配線     (火災2件)        [± 0] 
 
 (*)消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。

◆◆◇ スポーツ(レジャー)用品の事故 ◇◆◆

 体育の日を控え、平成15年度、平成16年度に収集して調査が終了した事
故情報で、通知の多かったスポーツ(レジャー)用品の事故の中から、事例を
いくつかピックアップしてみました。

 ◇ゴルフ
 【ゴルフクラブ】
  ・ドライバーのチタン合金ヘッドの上部にマグネシウム板を接着するため
   の接着剤塗布にばらつきがあったため、クラウン部のマグネシウム板が
   剥がれた。(人的、拡大被害なし8件 社告により回収・修理)
  
 ◇スキー・スノーボード
 【スノーボード】
  ・ボードのトップシートと芯材との圧着不良のため、滑走により表面シー
   トが剥がれ、ボードが破損した。(人的被害なし2件、社告により回収)
  ・軽量化のため、ビンディングのハイバックとスナップロックレバーを留
   めているアクセルピンにアルミを使用したため、耐久性が不足して破損
   し、ビンディングが解放され、使用者が左足を捻挫した。
                  (軽傷事故1件、社告により部品交換)
 【スキー靴】
   ・スキー靴に使用されているポリウレタン樹脂が、長時間の保管等の影
   響を受けて加水分解し、滑走中にスキー靴が破損した。
                         (人的被害はなし1件)
 ◇釣り
 【釣り竿】
  ・カーボン製の釣り竿を持って線路を横切ろうとして、高圧架線に釣り竿
   が触れて感電した。(死亡事故1件 重傷事故2件)
 【釣り用バケツ】
  ・バケツの吊りひもの結束金具の強度が不足していたため、繰り返しの使
   用により結束金具の勘合部が開いて外れて、右手の付け根を切った。
                            (軽傷事故1件)
 【竿先ライト】
  ・取扱説明書の記載が不十分だったため竿先ライトの取付方法を誤り、夜
   釣り中に使用者の頭上で割れて、ライト内の薬品をかぶって目に入り、
   海に転落した。(軽傷事故1件)
 
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◆◆◇ 昨年11月に発生した事故の傾向 ◇◆◆ 

 平成16年11月発生の事故は、158件中、55件(約35%)が『燃焼
器具』の事故でした。その次に、『家庭用電気製品』53件(約34%)、
『乗物・乗物用品』16件(約10%)でした。
 
 昨年8月から10月まで『家庭用電気製品』がトップで推移してきましたが、
この11月で『燃焼器具』と入れ替わりました。これは、石油ストーブの事故
が10月の5件から16件に増えたためとみられます。電気ストーブも1件か
ら7件になり、暖房器具の事故が増えています。
  
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・

◆◆◇ 消費生活用製品以外の事故でこんな事故がありました ◇◆◆

◇『登り棒で遊んでいた女児が指を切断』       (9/20・大阪府)
 小学校の校庭で、遊具の「登り棒」で遊んでいた女児が、左手の小指を切断
した。登り棒の支柱を伝って降りる際に、補強用の細い棒との間の鋭利なつな
ぎ目に指を挟んだ状態で下に落ちたとみられる。 

■━━事故情報の検索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

■━━製品の事故情報をお寄せください━━━━━━━━━━━━━━━━■

  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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              3.社告情報
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◇平成17年9月12日 株式会社ゾックス「携帯用DVDプレイヤー」
 製品の液晶下部及び上蓋部に、制御チップ動作不良による発熱によって、稀
に筐体が融解する不具合が発生する恐れがある。(無償で製品交換)

◇平成17年9月14日 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
 「家庭用ビデオゲーム機専用ACアダプター」
 小型・薄型プレイステーション2の一部に不良のACアダプターが混入して
いることが判明し、過熱による破損や火傷の可能性がある。
(無償でACアダプター交換)

◇平成17年9月20日 コクヨS&T株式会社「2穴パンチ」
 ハンドル部分のバネが破損した場合にバネ破片が飛び出し、稀ではあるが怪
我をする可能性があることが判明した。(製品回収)

◇平成17年10月4日 株式会社メガハウス「玩具(はちまき)」
 ナルト額当てはちまきの製造工程で額当て板金の端面処理に不備があり、指
を切るなどの怪我をする恐れがある物が出荷されている事が判明した。
(無償で点検)

■━━━NITE社告情報のページ━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

 【過去半年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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          4.NITEの製品安全情報
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◆◆◇ 平成17年度第2回事故動向等解析専門委員会を開催 ◇◆◆

 NITEでは、事故情報の調査結果を事故動向等解析専門委員会(*)(年4回
開催)の審議を経て公表しています。今年度2回目の同委員会を、去る9月1
3日に開催し、435件の案件が審議されました。審議を受けた435件は事
故原因の究明作業が終わり、NITEの事故情報収集制度四半期報等でその結
果が公表されます。

(*)事故動向等解析専門委員会は、岸田孝弥教授(高崎経済大学)を委員長とし
学識者、消費者団体代表等10名の委員で構成されています。

 ♪委員会でのひと言♪
  「簡易ガスライターは、たばこの点火専用って知ってますか?」
 
 簡易ガスライターは、財団法人製品安全協会のSG認定基準では「たばこの
点火だけに使用すること」を製品に表示か添付をするとされています。また、
社団法人日本喫煙具協会では、平成17年6月より型式確認検査の適用範囲を
広げてディスポーザブルライター(簡易ガスライター)も対象とし、検査に合格
したディスポーザブルライターに対して、「型式確認適合品ラベル」を発行し
ています。その表示項目に「たばこの点火専用」とあります。

 簡易ガスライターをたばこ以外のもの(例えば、花火や石油ストーブなど)
への点火に使用していませんか?簡易ガスライターは短時間(5秒以内)の点
火用に設計されていて、長時間の点火を想定した設計になっていません。また
簡易ライターを横に向けて使用されると、手指などを火傷する危険もあります。
たばこ以外のものへの使用は誤った使い方です。このような使い方をしないよ
う十分ご注意いただきたいと思います。

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◆◆◇ 「化学物質と上手に付き合うには」公開のお知らせ
                     化学物質管理センター ◇◆◆

 化学物質は様々な性質を持っています。その性質を利用することで、私たち
の生活は便利で豊かなものになっています。しかし、使い方を誤ると、人や環
境に好ましくない影響を与える場合があります。
 NITE化学物質管理センタ-では、化学物質に関する安全性をリスクとい
う考え方で管理するためのホームページ「化学物質と上手に付き合うには」を
10月11日より公開します。
このホームページでは、塗料、接着剤、洗剤(化粧品、殺虫剤等も今後追加)な
どの製品分類から、含まれる化学物質を調べることも可能です。

 是非ご利用ください↓↓↓
http://www.safe.nite.go.jp/management/index.html

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           5.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ アスベスト(石綿)を含有する製品を部品として用いた製品を
                           輸入規制 ◇◆◆

 経済産業省では、先般、アスベスト含有製品を用いた疑いのある自転車が輸
入されていたことが判明したため、厚生労働省と協議の結果、外国為替及び外
国貿易法に基づく告示を改正(9月27日公布、施行)し、アスベスト含有製
品(例:ブレーキライニング)を部品として用いた製品(例:自転車)につい
ても、経済産業大臣の承認を得なければ輸入することができないこととし、輸
入禁止措置を講じることとしました。

http://www.meti.go.jp/press/20050927002/20050927002.html

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              6.編集後記
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 最近、スイミングに通い始めました。泳げないので、初心者クラスでビート
板を持って練習してます。
 今回の通知でシュノーケルを使用中に起こったと思われる事故情報が3件あ
りました(原因は現在調査中です)。昨年度に比べて通知が多くなっています。
シュノーケルの事故は、シュノーケル内に水が入って吸い込み、パニックを起
こしておぼれてしまうケースが多いようです。水が入った場合、強く息を吐き
出してシュノーケル内の水をはき出す「シュノーケルクリア」という方法や、
それができない時はシュノーケルを口から外したらよいそうですが、知らなか
ったり、知っていても慣れていないと、パニックを起こしたりするようです。
ライフジャケットの着用や基本的な使用方法のマスターが必要ですね。 

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          【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                  生活・福祉技術センター 業務管理課

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