Vol.3  8月12日号「消費者用誤使用防止ハンドブックの反響」
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====================2005.8.12 Vol. 3====================
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│PSコラム│
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│ 消費者用誤使用防止ハンドブックの反響 │
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◇NITEでは、収集したすべての製品事故を調査しています。調査した結果
を大別すると、事故原因が製品による事故と製品によらない事故があります。
製品によるもののほとんどに再発防止の措置が講じられる一方で、製品によら
ないものは再発防止が進んでいないのが現状です。
◇製品によらない事故の大半は、消費者の誤使用や不注意によるものです。こ
のような事故を減らすために、事故事例を紹介しながら消費者が注意しなけれ
ばならない事項を「消費者用誤使用防止ハンドブック」にまとめ、今年5月に
事業者向けのハンドブックと同時に公表しました。
◇先日、この「消費者用誤使用防止ハンドブック」が新聞で紹介されました。
その日の朝から消費者からの問い合わせが殺到し、製品安全や誤使用事故への
関心の高さに驚きました。そして、ハンドブックに対して「知らないことが多
くて役に立った」、「カラーや写真でわかりやすい」などの嬉しいお言葉とと
もに「事例を増やしてほしい」、「子供用も作ってはどうか」とのご意見もい
ただきました。
◇くらしの安全・安心のために、消費者に必要な情報を適切に伝えていくNI
TEの役割をもう一度見つめ直し、さらに努力していかなければならないと考
えているところです。 (編集子)
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目次
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1.消費生活用製品の事故防止について
第3回「誤使用事故防止の考え方のポイント」
2.事故情報
・消費生活用製品の事故情報収集状況(7月25日~8月5日受付68件)
・昨年9月に発生した事故の傾向
・消費生活用製品以外の事故(1件)
3.社告情報(1件)
4.NITEの製品安全情報
・消費者用「誤使用防止ハンドブック」を作成
・NITEホームページに「事業者からのお知らせ」を新設
・誤使用事故防止対策の考え方についての説明会
5.編集後記
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1.消費生活用製品の事故防止について
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第3回 「誤使用事故防止の考え方のポイント」
◇(4)「誤使用の責任主体」
・「正常使用」、「予見可能な誤使用」、「非常識な使用」の責任主体につ
いて整理する。
a.「正常使用」
事業者が想定した使用方法が、消費者にとっても「正常使用」と理解さ
れる部分である。事業者が、その製品に通常求められる安全性を確保する
責任を有する。
b.「予見可能な誤使用」
事業者がこの部分の危険を放置することは道義的にも、製造物責任法の
趣旨からしても許されず、製品の設計上で消費者の危険を回避する必要が
ある。なお、消費者に対しては、取扱説明書等により「正常使用をしなか
った場合」において生じる恐れのある危険性について明示する必要がある。
c.「非常識な使用」
事業者だけでなく、一般常識を持つ消費者も不適切な使用であることを
理解でき、通常は法的な責任が事業者に及ぶことはない。消費者にも使用
上の注意を守ることに関して一定の責任があるが、常識と非常識の間に明
確な線引きができないことから、事業者も、取扱説明書等により「非常識
な使用」による危険性について説明する必要がある。
・「予見可能な誤使用」と「非常識な使用」の境界線及び責任の割合は、消
費者の属性、環境、使用状況等により常に変動するものと理解する。
( S.N )
※「消費生活用製品の誤使用事故防止ハンドブック」より
(第4回に続く)
☆前回までの記事はこちらです。→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/
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2.事故情報
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◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況
(7月25日~8月5日受付68件) ◇◆◆
NITEに通知のあった事故情報を傾向として集計しています。
(件数の多い順に5製品)なお、事故原因については現在調査中です。
(*)消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。
製品名(事故状況と件数) [前号比(件数±)]
…………………………………………………………………………………
1. 自転車(転倒16件、パイプ破損1件) [+17]
2. 直流電源装置(火災6件) [+ 6]
. ガスこんろ(火災6件) [- 4]
4. エアコン(室内機:火災1件 室外機:火災2件)[± 0]
. 四輪自動車(火災3件) [± 0]
==誤使用・不注意による事故が多い天ぷら油火災==
今回、ガスこんろによると思われる事故6件中、揚げ物の調理中に出火した
と思われる事故が3件ありました。天ぷら油火災は、消費者の誤使用、不注意
による事故が多いため、「消費者用誤使用防止ハンドブック」でも事例を紹介
しています。(本号「4.NITEの製品安全情報」でハンドブックをご案内
していますので、ご参照ください。)
天ぷら油火災について、NITEに通知された過去の事故情報(平成15年
度、平成16年度に通知があり調査が終了したガスこんろの事故)を、ちょっ
と調べてみました。
ガスこんろ 天ぷら油火災
の事故件数 の件数
……………………………………………………………
平成15年度 151件 82件(約54%)
平成16年度 131件 85件(約65%)
内容は、調理に関連して、油の入った鍋を火にかけたまま放置して起こった
事故が大半ですが、廃油処理剤(油を固形化する)を溶かすために油を再加熱
してそのまま放置してしまい、起こった事故もありました。
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◆◆◇ 昨年9月に発生した事故の傾向 ◇◆◆
平成16年9月発生の事故は、103件中、43件(約42%)が『家庭用
電気製品』の事故でした。内訳は「直流電源装置」、「洗濯機」、「テレビ」、
「エアコン」、「照明器具」と多い順に続きます。「直流電源装置」は社告対
象品で、シェーバーの充電器です。ついで、『燃焼器具』35件(約34%)、
『乗物・乗物用品』18件(約17%)が続きます。これらは「ガスこんろ」、
「四輪自動車」の件数が大半を占めています。
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◆◆◇ 消費生活用製品以外の事故でこんな事故がありました ◇◆◆
◇『送風機に手を入れた幼児が、指を切断』(7/21・東京都)
遊園地で、涼しくするため遊具のそばに置かれていた送風機に2歳児が左手
を入れ、人さし指を羽根に挟んで切断し、中指と薬指にもけがを負った。送風
機は、鉄製のさくで仕切って人が近づかないようにしてあった。
■━━事故情報の検索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/index3.html
■━━製品の事故情報をお寄せください━━━━━━━━━━━━━━━━■
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp
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3.社告情報
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◆◆◇ 最近の社告 ◇◆◆
◇平成17年7月29日 三菱電機株式会社「テレビ台(液晶テレビ用)」
液晶テレビを取り付けている支柱に傾きが生じ、稀に転倒する場合があるこ
とが判明した。(無償で製品交換)
■━━━NITE社告情報のページ━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
【過去半年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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4.NITEの製品安全情報
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◆◆◇ 「消費者用誤使用防止ハンドブック」を作成 ◇◆◆
消費者の誤使用、不注意による事故を注意喚起した、「消費者用誤使用防止
ハンドブック」を作成しました。ぜひご覧ください。
こちらからダウンロード(PDF版)してください↓↓↓
http://www.nite.go.jp/jiko/handbook/goshiyou_handbook.html
☆消費者向けの啓発活動等でまとまった部数が必要な場合はご相談ください。
業務管理課(電話06-6942-1112)「消費者用誤使用防止ハンドブック」担当まで。
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◆◆◇ NITEホームページに「事業者からのお知らせ」を新設 ◇◆◆
NITEでは、事故情報は、事故原因が判明してから公表することを原則と
していますが、「事故の調査中に次の事故が起こる」という事態を防ぐため、
事故調査中案件について、事業者が事故の発生などを一報する「事業者からの
お知らせ」を新設しました。
http://www.jiko.nite.go.jp/attention/
○平成17年8月3日 「圧力なべ(片手式)の事故について」
伊藤アルミニウム工業株式会社
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◆◆◇ 誤使用事故はすべて消費者の責任と考えていませんか? ◇◆◆
NITEでは、工業会等の団体を通じ、消費者の安全確保の観点から事業者
がとるべき誤使用事故防止対策の考え方について、説明会を開催しています。
【今後の開催予定】
8/26 中国家電CR会
9/ 1 財団法人日本文化用品安全試験所(大阪)
9/ 2 財団法人日本文化用品安全試験所(東京)
9/ 6 中津川商工会議所
9/ 7 社団法人電子情報技術産業協会
9/ 9 財団法人新潟県県央地域地場産業振興センター
説明会開催のお申し込みは、
業務管理課(電話06-6942-1112)「誤使用事故防止説明会」担当まで。
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5.編集後記
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今号のPSコラムの続きをもう少し。「消費者用誤使用防止ハンドブック」
が新聞で紹介された朝から、職員は、電話を取るたび、にわかテレフォンオペ
レータと化したのでした。
メディアの影響力に驚きつつも、500件以上の問い合わせに「高齢の母に
読ませたい」、「高齢になって自分が誤使用してしまいそうで心配」、「自治
会で配りたい」など消費者の声をじかに聞くことができました。また、誤使用
・不注意事故は高齢者に多く、今回のような新聞掲載は願っても無い事。受話
器の先から「ひとごとではない」という気持ちが伝わってきました。
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