【製安プレスリリース】福祉用具による高齢者の事故にご注意ください
公表日
平成27年9月17日
本件の概要
報道発表資料
- 発表日:
- 平成27年9月17日(木)
- タイトル:
- 福祉用具による高齢者の事故にご注意ください
- 発表者名:
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター
- 資料の概要:
- 介護ベッドや電動車いす等の福祉用具は、高齢者や障害のある方々の自立した社会生活を支援する製品として欠かせない製品です。しかし誤使用や不注意などによって事故が発生することも多く、特に高齢者の場合「死亡」「重傷」といった重篤な被害に至るおそれがあるため、事前の対策及び使用時の注意が必要です。
9月21日の敬老の日を迎えるにあたって、福祉用具による高齢者の事故を防ぐため、今般、注意喚起を行うこととしました。
NITE(ナイト)に通知された製品事故情報※1において、福祉用具による高齢者※2の事故は、平成22年度~平成26年度までの5年間に合計147件※3ありました。このうち55件(37.4%)が使い始めから1年未満に発生しており、使用に不慣れだったことが事故の原因のひとつと推測されます。
また、被害状況を見ると、「死亡」「重傷」といった重篤な被害が100件(68.0%)と多く発生しています。高齢者や障害のある方の場合、とっさに危険を回避することが困難で、事故が発生したときに被害が大きくなる傾向があります。
表 主な被害状況(事故件数(被害人数)) - 人的被害 物的被害 被害
なし合計 死亡 重症 軽傷 拡大※4
被害製品※5
破損介護ベッド※6 22 21 16 2 1 62 電動車いす※7 22 6 7 3 1 39 車いす 4 1 1 6 手すり※8 4 5 4 1 14 歩行車・歩行器 11 2 1 2 16 その他(杖、介護リフト、介護用いす等) 1 4 4 1 10 49 51 34 3 6 4 147
被害状況を見ると、「重傷」が7件「軽傷」が13件発生しており、人的被害の発生割合が高くなっています。
■ 主な事故事例及び事故防止のための注意事項- 介護ベッドの隙間に頭や手足を挟み込み、死亡・重傷等の重篤な被害を負った。
… 使用する際は、頭や手足が入り込みそうな隙間が無いか確認し、カバーやクッションで覆ったり隙間の小さい部品に交換する - 電動車いすで走行中、道路から用水路、河川等に転落して死亡した。
… 幅の狭い道路やガードレールがない道路などの走行時は路肩に寄りすぎない - 電動車いすで走行中、踏切内で列車と接触して死亡した。
… 踏切の走行は可能な限り避け、通行する際は脱輪したり線路の溝にタイヤが挟まらないようハンドルをしっかりと握り、線路に対して直角に渡る。また、充電は十分に行っておく。
福祉用具による高齢者の事故を防止するため、介護ベッドの安全性を強化したJISの改正や隙間への挟み込みを防止する部品の配布、電動車いすの運転講習会の開催など、行政機関や業界団体による事故防止の取組が行われていますが、さらなる事故の発生を防止するため、福祉用具を使用される高齢者の皆様や、家庭や病院、介護施設で介護に携わる皆様への注意を含め、注意喚起を行うこととしました。- (※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故 (ヒヤリハット情報(被害なし)を含む)。
- (※2)WHOが定義する高齢者(65歳以上)を対象として集計、分析している。
- (※3)平成27年7月31日現在、重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
- (※4)製品本体のみの被害にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
- (※5)被害状況別で、人的被害と同時に物的被害が発生している場合は、人的被害の最も重篤な分類でカウントし、物的被害 には重複カウントしない。
- (※6)介護ベッド、ベッド用グリップ(手すり)(ベッドでの起き上がりや立ち上がり等の動作を補助する用具)、サイドレール(ベッドからの転落防止のための側面の柵)等をいう。
- (※7)電動車いすの操作方式によって、直接ハンドル操作を行うハンドル形及びジョイスティックレバーで操作するジョイスティック形がある。ハンドル形電動車いすはシニアカーとも呼ばれ、3輪タイプと4輪タイプがある。主に足腰の弱くな
った高齢者が使用する事が多い。一方、ジョイスティック形電動車いすは主に障害のある方が使用されることが多いが、
高齢者が使用する場合もある。 - (※8)手すりには床置き式、壁取付け式及び手すり固定用金具を含む。
- 介護ベッドの隙間に頭や手足を挟み込み、死亡・重傷等の重篤な被害を負った。
発表資料
関連リンク
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