Vol.501 5月26日号「ガストーチの事故」
Vol.501 5月26日号 「ガストーチの事故」 【PDF:1,361KB】
アウトドアシーズンを迎え、ガストーチがキャンプ場などで活躍する季節になりました。「いやいや、我が家は庭でバーベキューをしていますよ。」「いやいや、我が家はあぶり料理などで季節を問わずに使っていますよ。」という方もいらっしゃることでしょう。手軽に使うことができて便利なガストーチですが、誤った使い方でやけどを負ったり火災になったりする事故がNITEに報告されています。
そこで今回の PS マガジンでは、ガストーチの事故事例と併せて、私たちが注意すべきポイントをご紹介します。

項目一覧
1.ガストーチの事故
2.製品事故収集情報(4月19日~ 5月9日 受付84件)
3.リコール情報 5件
4.その他の製品安全情報
・「消費者の責任について考える2026」ウェビナーのご案内
・iNARTE PS(製品安全)受験講習会・資格試験のご案内
・「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE公式X アカウントのご案内
1.ガストーチの事故
【事故事例1】
ガストーチを使用中、本体付近から出火しました。(2024年 東京都 20歳代女性 製品破損)
→製品にガス漏れなどの異常が認められなかったことや、パンにチーズをのせ、焦げ目を付ける作業を行っていて出火したことから、ボンベを傾けすぎたことにより、異常燃焼が生じて大きく燃え上がったものではないかと考えられます。
【事故事例2】
ガストーチを点火したところ、ボンベ接続部付近から出火し周辺を焼損しました。(2023年 兵庫県 60歳代男性 拡大被害)
→ガストーチとボンベの接続部の内側ガイドに、カセットボンベの切り欠きを合わせずに斜めに挿入したものと考えられる傷が確認されました。ガストーチとカセットボンベの接続が不完全な状態で使用されたことにより、接続部から未燃ガスが漏れ、点火時の炎が引火したものと考えられます。
◆「使用時」に気を付けるポイント
(1)点火はカセットボンベを立てた状態で行いましょう
大きく傾けて異常燃焼が生じた場合、直ちに立てた状態に戻しましょう
ガストーチには、カセットボンベを大きく傾けても安全に使用できるタイプの製品と、使用できないタイプの製品があります。
後者の製品を傾けすぎると、異常燃焼が生じて大きく燃え上がるため、やけどなどのおそれがあります。使用できる角度や注意事項は製品ごとに異なるため、必ず取扱説明書を確認しましょう。

【図の解説】
カセットボンベを大きく傾けたり、逆さに向けたりすると、気化していない液体燃料(生ガス)がガストーチに流れ込み、バーナー部から霧状に噴出します。ここに火が点くことで、異常全燃焼が起こり、大きく燃え上がってしまうことがあります。
使用中に傾けて異常燃焼が生じた場合は、直ちにカセットボンベを立てた状態に戻しましょう。どちらのタイプの製品であっても点火する際に傾けていると異常燃焼が生じるおそれがあるため、点火はカセットボンベを立てた状態で行いましょう。
大きく傾けても安全に使用できるタイプの製品であっても、大きく傾けたまま長時間使用し続けると、バーナー部などが熱で損傷するおそれがあります。取扱説明書に指示がある場合を除き、使用中の傾ける角度は 45 度までを目安にしましょう。

(2)使用前に製品の点検を行い、異音や異臭などの異常がないか確認しましょう
事故の原因の多くはガス漏れによるものです。中には、使用前に異変に気付きながらも使用を続けてしまい、事故につながってしまっている事例もあります。使用する前に以下のとおり必ず点検を行い、ガス漏れが生じていないか確認しましょう。
① カセットボンベを装着する前に、接続部やバーナー部に異物が付着していないかを確認しましょう。
② 火の元から離れた場所でカセットボンベを装着し、ボンベがガストーチに確実に固定されていることを確認しましょう。


③ ガスの漏れる音(「シュー」という異音)やガスの臭い(異臭)がしないかを確認しましょう。
装着後に異音や異臭などがある場合、ガスが漏れているおそれがあります。直ちに使用を中止してください。なお、ガストーチ及び接続するカセットボンベには組み合わせが指定されています。それぞれの製品の取扱説明書や本体表示に記載されている注意事項を確認し、指定された製品同士の組み合わせで使用しましょう。
(3)リコール情報を確認しましょう
お持ちのガストーチがリコールの対象になっていないか確認しましょう。 毎号でご案内している 「NITE SAFE-Lite」 で、リコール情報を検索できます。ぜひご活用ください。
https://safe-lite.nite.go.jp/
もしリコールの対象となっている製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても直ちに使用を中止し、お買い求めの販売店や製造・輸入事業者に確認や相談をしてください。
参考資料
2026年2月6日以降から、ガストーチには国が定める安全に関する基準への適合を第三者機関が確認したことを示す、「◇PS-LPGマーク表示」が義務付けられました。それ以前に販売されていたガストーチの中には、もちろん安全なガストーチもありますが、現在の◇PS-LPGマークの技術基準を満たさない、安全性に劣る製品が存在するおそれもあります。以下に、製品起因の事故事例を2件ご紹介します。

【事故事例3】
ガストーチを使用中、周辺を焼損する火災が発生しました。(2022 年 愛知県 年齢・性別 不明 拡大被害)
→カセットボンベ接続部のO(オー)リングが収縮してガスが漏れた、Oリングの設計不良が原因 の事故と推定されます。輸入事業者がホームページでリコール情報を掲載し、使用を中止し廃棄するよう記載している。
【事故事例4】
ガストーチを使用中、ガス調整つまみ付近から出火し、周辺を焼損しました。(2024年 兵庫県 60歳代男性 拡大被害)
→火力調整つまみのスピンドルに装着されているOリングの外径が小さく、ガスの気密性が十分でなかったことから密閉状態が保てなくなり、漏れたガスに点火時のスパークで引火したものと考えられます。

なお、◇PS-LPG マークの技術基準では、Oリングの材質や、気密性能に関する要件が定められています。そのため、◇PS-LPG マークの付いたガストーチは安全性が高い製品と考えられます。
(参考)
以下のような製品は規制の対象外となります。
・容器との接続部から火口までが35センチメートル以上のもの
・配管工事用製品など、ガスホースを介してガスボンベを取り付けるもの
・吸収材など、液化ガスの漏出を防止する機能を備えたガスボンベを使用するもの
出典元ページ:ガストーチに対する規制が開始されました (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/gastorch.html
2.製品事故収集情報
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(4月19日~ 5月9日 受84件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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製品名 (事故状況と件数)
1. モバイルバッテリー ( 火災など 10件 )
2. 洗面化粧台 ( 破損など 9件 )
3. 電気ケトル(電気湯沸器) ( 火災など 5件 )
4. ガストーチ ( 火災など 4件 )
5. ポータブル電源 ( 火災など 3件 )
5. タブレット端末 ( 火災など 3件 )
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洗面化粧台は全て同一メーカーのリコール事案(キャビネット落下)になります。
その他、件数が3件のものとして、携帯電話機、電気温風機、太陽光発電システムがあります。
◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
◆株式会社コロナ(法人番号:5110001014116)
「電気給湯機(ヒートポンプ式)」2026年5月20日
【詳細】https://www.corona.co.jp/report/safety/20260520.html
オンライン受付フォーム(24時間)https://www.corona.co.jp/uketsuke/form/
◆株式会社デンソー(法人番号:9180301014251)
「電気給湯機(ヒートポンプ式)」2026年5月20日
【詳細】
株式会社デンソー(デンソーブランド)
https://www.denso.com/jp/ja/-/media/secure-news/jp/ja/important-notice/20260520-01.pdf
トヨタホーム株式会社(トヨタホームブランド)
https://www.toyotahome.co.jp/corporate/pdf/p20260520.pdf
トクラス株式会社(トクラスブランド)
https://www.toclas.co.jp/important_news/20260520/index.html
株式会社キューヘン(ユノカブランド)
https://www.kyuhen.jp/products/yunoka/important/eco-target.html
四変テック株式会社(ユノエースブランド)
https://www.shihen.co.jp/yunoace/important_notice/post-2368/
中国電機製造株式会社(Chukiブランド)
https://chuki.jp/info/965/
シャープ株式会社(シャープブランド)
https://jp.sharp/support/announce/ecocute.html
矢崎エナジーシステム株式会社(YAZAKI、OMソーラー、三井ホームブランド)
https://www.yazaki-group.com/news/13516/index.html
◆マックス株式会社(法人番号:2010001057739)
「電気式浴室換気乾燥暖房機」2026年5月12日
【詳細】https://www.max-ltd.co.jp/support/dry-fan/news/detail/20260512-000413.html
◆ウルトラニュープランニング株式会社(法人番号:5030001109304)
「水筒(ステンレス製)」2026年4月30日
【詳細】https://www.u-np.jp/towerbottle2_recall/
オンライン受付フォーム(24時間)https://www.u-np.jp/towerbottle2_form/
◆株式会社工進(法人番号:2130001030056)
「草刈機」2026年4月21日
【詳細】https://www.koshin-ltd.jp/news/461.html
4.その他の製品安全情報
◆◆◇ 「消費者の責任について考える2026」ウェビナーのご案内 ◇◆◆
地方創生SDGs官民連携プラットフォーム
「安全とSDGs分科会」
5月は消費者庁が呼びかける『消費者月間』です。
・公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 (NACS)
・一般社団法人 日本エシカル推進協議会 (JEI)
・一般社団法人 日本サステナブル・ラベル協会 (JSL)
・一般社団法人 APL-Japan (APL)
・一般財団法人 製品安全協会 (CPSA)
・一般財団法人 電気安全環境研究所 (JET)
の6団体が連携し、5月30日の消費者の日を前に、「消費者の責任」について考えるウェビナーを開催します。
当日は、「リチウムイオン電池による事故防止」をテーマに、リチウムイオン電池等の適正処理に関する環境省の取組紹介や、『選ぶ・使う・捨てる』の観点から、事業者等の取組を踏まえて、消費者視点で意識すべきことについて、考えます。
是非、多くの皆様にご視聴頂き、消費者に期待される「責任」について、意識を高めて頂く機会になればと思います。
また事業者の皆様にとっても、製品安全に対する取組事例として、大変参考になる内容ではないかと思います。
ぜひ多くの皆様の参加登録(後日録画視聴も可能)をお待ちしています。
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開催日時 :2026年 5月27日(水) 10:00~12:00(予定)
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【プログラム】
1.「リチウムイオン電池等の適正処理に関する方針と対策」
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
係長 國分綾希子 様
2.「リチウムイオン電池の3つのC」に関する事業者の取組と課題認識
(賢く選ぶ:Cool choice)
アンカージャパン株式会社
エレコム株式会社
(丁寧に使う:Careful use)
株式会社INFORICH
(正しく捨てる、そして資源循環:Correct disposal with better recycling)
一般社団法人ごみプロジェクト
3.その他、最近の法改正と安全に関する情報アップデート等
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【定 員】Zoom参加 250名 (登録者には、見逃し配信あり)
【参 加 費】無料
【申 込】以下のリンクから参加登録をお願いします。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_-NWh7WSXQHWvz5RhZ2nexQ
ご登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。
【お問合せ】地方創生SDGs官民連携プラットフォーム『安全とSDGs分科会』
(事務局)一般財団法人電気安全環境研究所(JET)
電気製品安全センター(担当:桑原)電話:078-771-5135
Mail:semi07@jet.or.jp
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◆◆◇ iNARTE PS(製品安全)受験講習会・資格試験のご案内 ◇◆◆
iNARTE PSエンジニア・テクニシャンの技術資格は、製品安全対策技術や製品安全規格の知見を有している事を認証する技術者資格です。
下記要領で受験講習会・資格試験を実施致します。
1.iNARTE PS(製品安全)受験講習会
(2日間で試験カテゴリー全範囲を履修します。)
・開催日時:(1日目)2026年6月25日(木)12:50~17:10
(2日目)2026年6月26日(金)10:10~16:40
・会場 :オンライン開催(Zoomウェビナー)
・受講料 :会員18,700円/非会員30,800円
(2日間セット料金(税込))
・募集人員:50名
・募集期間:2026年4月1日(水)~5月28日(木)
(定員に達し次第、締切りとさせていただきます)
2.iNARTE PS(製品安全)資格試験
場所を問わず受験可能なオンライン試験の形態で実施します。
・開催日時:2026年8月28日(金)
・受付時間:8:30~9:00
・試験時間:4時間(試験サイトにアクセス後)又は 13:00まで
・試験会場:オンライン @(ご自宅 或いは 勤務先会議室 など)
・受験料 :18,700円(税込)
なお、合格された方は、別途認証料 14,300円が必要です。
・募集期間:2026年4月1日(水)~7月30日(木)
お申し込みは、KEC関西電子工業振興センターのウェブサイト
(資格試験) https://www.kec.jp/seminar/narte_ps26/
(受験講習会)https://www.kec.jp/seminar/narte_psk26/
からお申し込みください。
お問い合わせ
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
iNARTE Japan PS 分科会 事務局 石住 隆司
〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台3丁目2番地2
TEL:0774-29-9041/E-mail:narte-safty01@kec.jp
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◆◆◇ 「NITE SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
05/22 18件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260522_01.pdf
05/19 5件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260519_01.pdf
05/15 15件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260515_01.pdf
05/12 8件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260512_01.pdf
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◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
NITEでは、公式アカウントを開設しています。
Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいネをお待ちしております!
Xアカウント→@NITE_JP
編集後記
今回は、これから夏に向けてアウトドアシーンで活躍するガストーチについて注意喚起をしましたが、バーベキューでの火起こしに絡む事故では、ガストーチのほかに「着火剤」についても過去に事故が起きていて注意が必要です。
既に火が点いている炭や薪などにジェル状の着火剤を継ぎ足した場合、大きな炎が上がり、火の着いた着火剤が飛び散って衣服に付いたり、手元の着火剤に引火したりして、やけどや火災に至る場合があります。着火剤の継ぎ足しは絶対にしないでくださいね。
チューブ式やパウチ式の容器で販売される着火剤には、継ぎ足しを禁止する警告文が付 けられているものが多いので、お使いになる前によく読んで注意して使いましょう。
2024年のPSマガジンVOL.457(7月23日号)で着火剤の事故を紹介していますのでご覧ください。
https://www.nite.go.jp/data/000154929.pdf
それではみなさん、安全に夏のレジャーを満喫しましょう。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図







