Vol.494 2月10日号「ガスこんろの事故」
Vol.494 2月10日号 「ガスこんろの事故」 【PDF:1,398KB】
衣服が厚手で「もふもふ」しがちな冬の時期、ガスこんろを使用中に衣服が炎に近づくと「着衣着火」のおそれが高まります。また、ペットがガスこんろの操作ボタンを押す「もふもふプッシュ」による火災も発生しています。衣服とペット、どちらも火に接近しないよう注意が必要です。そこで今回のPSマガジンでは、「もふもふ」が原因のガスこんろの事故(※1)を防止するためのポイントを、事故事例を交えてご紹介します。

※1 PSマガジンVOL.489(11月25日号)でも、ガスこんろの事故をご紹介しています。併せてご確認ください。 https://www.nite.go.jp/data/000159687.pdf
項目一覧
1. ガスこんろの事故
2.製品事故収集情報(1月11日~ 1月24日 受付102件)
3.リコール情報 3件
4.その他の製品安全情報
・「第7回 KEC製品安全フォーラム 」のご案内
・「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE公式X アカウントのご案内
1.ガスこんろの事故
◆事故の現状
2020年から2024年までの5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報(※2)では、ガスこんろの事故が152件ありました。そのうち、誤使用・不注意による事故が約5割を占め、事象別の内訳では「火の消し忘れ」による事故が多くなっているほか、「ペットによる点火」や「ガスこんろやグリルの汚れを放置」することによる事故も発生しています。また、ガスこんろでは、衣服に火が移る「着衣着火」の事故も発生しています。消防庁のデータ(※3)では、着衣着火により毎年100人前後の方が亡くなっており、内訳では「たき火」の次に「炊事中」の事故が多くなっています。
※2 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。
※3 出典:総務省消防庁 「火災の実態について」
https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/yobou_contents/info/
◆事故事例
【事故事例.1】
ガスこんろを使用中、衣服に着火し、やけどを負いました。(2022年 奈良県 60歳代女性 重傷)
→使用者がガスこんろの左側に置かれていた調理器具を右手で左奥へ移動させた際に、右上腕部が左こんろに接近し、左こんろのバーナーの炎が着衣に着火したものと考えられます。ガスこんろの炎が「着衣に着火」した事故です。

【事故事例.2】
犬の飼い主が外出時に、事務所でガスこんろ及びその周辺を焼損する火災が発生しました。(2022年 愛知県 60歳代女性 拡大被害)
→室内で飼っていた犬が操作ボタンを押したことで、こんろの火が周囲の可燃物に着火し火災に至ったものと考えられます。ガスこんろの操作ボタンにはロックがかかっておらず、左右こんろの間には犬の餌が入った樹脂製容器が置かれていました。
「ペット」がガスこんろの操作ボタンを押したことが原因の事故です。

◆気を付けるポイント
○使用中は、衣服と炎の距離を意識し、近づき過ぎない。
ガスこんろの炎は、目に見えている部分以外にも広がっているため、目に見えている炎から離れていても着火するおそれがあります。特に冬は重ね着などで衣服が厚くなるため、衣服の過熱や着火に気付きにくくなります。さらに、衣服が毛羽立っている状態などでは、着衣着火時に表面フラッシュ現象(※4)が発生することがあり、髪などに着火するおそれもあります。衣服と炎との距離を常に意識し、近づきすぎないよう注意しましょう。
消防庁のデータ(※3)によると、着衣着火は65歳以上の高齢者の方の死亡事故が多くなっています。高齢者は白内障の進行とともに、ガスこんろのガス火の青色が見えにくくなりますので特に注意しましょう。
また、消費者庁が公開している医療機関から報告された事故事例の中には、調理中にこんろに背を向けてテレビを見ていた際に着衣着火した事故も発生しています。ガスこんろに背を向けて近くの棚を開けるなどの作業するときは、こんろの火に近づかないよう注意しましょう。
なお、衣服だけでなく、ガスこんろ周辺の物に着火するおそれもあります。こんろの上や周囲に、ふきん、樹脂製品などの可燃物を置かないようにしましょう。

■着衣着火を防ぐ対策
(1) やかん、鍋などの大きさに合わせて火力を調節しましょう。(鍋底から炎が溢れないようにしましょう。)
(2) 調理中にガスこんろ奥の調味料などを取ったり置いたりする行為は、衣服が炎に接近してしまうため、ガスこんろの奥に物を置かないようにするか、どうしても置く場合は、必ず火を消してから物を取るようにしましょう。
(3) マフラーやスカーフなど長く垂れ下がる可能性のあるものは外して、裾や袖が広がっている、毛足が長い、毛羽立っている、紐が付いているような衣服の着用はできる限り避けましょう。
(4) 調理の際にはエプロンやアームカバーを着用することで、裾や袖の広がりなどを抑えることができます。また、難燃・防炎仕様の素材は、炎が接しても着火しにくくまた燃え広がりにくいので、調理中の着衣着火の防止につながります。
■着衣着火時の対処方法 (神戸市消防局監修)
(1) 直ちに水や消火器で消火を行う、周囲の人に助けを求める。また、すぐ衣服が脱げる場合は脱ぐ。
近くに水場や消火器がある場合は、着火箇所に水をかける、または消火器を使用して消火しましょう。また、衣服を素早く脱ぐことができる場合は、衣服を脱いでください。一人では対処が難しい場合もあるため、周囲の人に大声で助けを求めましょう。
(2) ストップ、ドロップ&ロール(止まって、倒れて、転がって)を行う。
衣服が脱げず、また近くに水や消火器が無い場合は、「ストップ、ドロップ&ロール(止まって、倒れて、転がって)」を実践しましょう。
パニックになって走り出してしまうと、風によって酸素が取り込まれ、火の勢いが大きくなってしまうおそれがあります。まずはその場で止まりましょう。次に、体と地面の間にできるだけ隙間がないよう地面に倒れ込み、燃えているところを地面に押しつけるようにしながら左右に転がることで消火させます。また、両手で顔を覆うようにして顔へのやけどを防ぎましょう。慌てず、落ち着いて対処しましょう。

※4 表面フラッシュ現象について
表面フラッシュ現象とは、衣服の生地表面に細かい繊維が毛羽立っている場合に、わずかな炎の接触でも毛羽部分に着火し、一瞬で衣服の表面を火が走る現象です。表面フラッシュ現象が起こると、衣服表面に火が一気に広がるため、髪の毛に燃え移ったり、慌てて動いて怪我等をするおそれがあります。


表面フラッシュ現象は、以下の形状や素材で発生し易いため、特に注意が必要です。
○ 綿やレーヨンなどの植物繊維使用の素材
○ パイル・タオル地や表面を起毛した生地
○ 着古して表面が毛羽立っている衣服
(参考)
着衣着火など、誤使用による事故の未然防止に役立つ機能を持つ製品には、「+あんしん」(プラスあんしん)のロゴマークを表示し、消費者が安全な製品を選択できるよう、国がサポートしています。(※5)
※5 経済産業省「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度」概要
https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/about.html

今回ご紹介したガスこんろの事故を防止するための機能を持つ、「+あんしん製品」をご紹介しています。併せてぜひご覧ください。
グリル付きビルトインコンロ https://journal.meti.go.jp/60sec/43882/
ビルトインコンロ https://journal.meti.go.jp/60sec/43794/
○【ペットがいる場合】出掛ける際はガスこんろの元栓を閉め、操作ボタンをロックする機能がある場合は使用する。こんろの近くにペットの興味を惹く物を放置しない。
ペットがガスこんろに寄りかかるなどして、操作ボタンを押してしまうことがあります。万が一そのような事態が起きても事故につながらないよう、ペットを家に残して外出する際は、ガスこんろの元栓を閉め、操作ボタンにロック機能がある場合は、必ずロックをかけておきましょう。

また、外出するなどで目を離す際は、室内で放し飼いにせずケージに入れておくことも、大切なペットを火災から守るために有効な対策の1つです。
■NITE では、1月29 日に注意喚起として『冬の“もふもふ”接近注意報!~ガスこんろの事故で気を付けたい4つのポイント~』をプレスリリースしています。
今回ご紹介したガスこんろの事故の詳しい分析結果の他にも、総務省消防庁、消費者庁・独立行政法人国民生活センターの着衣着火に関する調査結果についてもご紹介しています。併せてぜひご覧ください。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs260129.html
新作動画:ガスこんろ「14.着衣着火と表面フラッシュ現象」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/20260129.html
2.製品事故収集情報
(1月11日~ 1月24日 受付102件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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1. 電気かみそり(充電式) ( 火災等 12件 )
2. モバイルバッテリー ( 火災等 8件 )
3. 洗面化粧台 ( 破損等 8件 )
4. 電気冷温風器 ( 火災等 6件 )
4. 電動アシスト自転車 ( 破損等 6件 )
洗面化粧台は全て同一メーカーのリコール事案(キャビネット落下)になります。
電動アシスト自転車の4件は同一メーカーのリコール事案(ハンドルステム固定用ボルト不良)になります。(他はバッテリーパックの事案です。)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
◆株式会社電菱(法人番号:8011501007673)
「インバーター」2026年2月2日
【詳細】https://www.denryo.com/
おしらせ https://www.denryo.com/news/info.html#2
◆株式会社アルミス(法人番号:8300001006116)
「ACアダプター(充電式電動工具用)」2026年2月2日
【詳細】
https://alumis.jp/2026/01/13/【重要】弊社製品に関するリコール(自主回収)/
◆京商株式会社(法人番号:3010001014292)
「ラジオコントロール玩具」2026年1月7日
【詳細】
https://toy.kyosho.com/ja/blog/post/toy_info_20260107?srsltid=AfmBOoqNv5UhIMQ1UlCSpYIDWwJ7IX2BAiKC8v4tGUFJrMfcpnugoc
4.その他の製品安全情報
IoTやAI、そしてグローバルな社会課題の拡大により、製品を取り巻く環境はこれまでになく複雑化しています。製品の設計・製造から使用・廃棄に至るまで、リスクの捉え方や安全確保の手法も大きく見直しが求められています。
こうした背景を踏まえ、本フォーラムでは、複雑化する技術・社会環境に対応した製品安全の考え方を再構築し、実効性の高いリスクマネジメントや、変化に即した安全確保の最新動向について、各分野の第一線で活躍される講師陣をお招きし、ご講演いただきます。
【開催日】2026年 2月20日(金)
【会 場】大阪コロナホテル 大会議室200AB
ハイブリッド形式(会場とZoomオンライン併用)
【参加費】会員 5,500円 非会員 7,700円
【内 容】
[基調講演] 失敗学の視点から製品安全を考える
東京大学 名誉教授 中尾 政之 氏
[講演2] 製品安全分野のリスクアセスメント
独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 次長
(情報解析企画課 課長) 酒井 健一 氏
[講演3] 車載バッテリーの安全試験における規格動向と新試験所の特徴
エスペック株式会社 テストコンサルティング本部 試験部
あいちバッテリー安全認証センター 所長 梶原 隆志 氏
[講演4] 欧州デジタル製品安全の規制と標準化動向
三菱電機株式会社 神余 浩夫 氏
【詳細】 https://www.kec.jp/img/committee/2025/psf25.pdf
【申込先】 https://www.kec.jp/seminar/psf25/
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
専門委員会推進部 事務局 西川 哲弘
TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp
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「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
02/06 25件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260206_01.pdf
02/03 12件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260203_01.pdf
01/30 16件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260130_01.pdf
01/27 15件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260127_01.pdf
◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
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編集後記
今年も、梅の開花が気になる時期となりました。昨年は開花が遅かったと記憶していて、あらためて気象庁のホームページで資料を見てみますと全国的に遅咲きだったのですね。(編)のいる大阪では開花日は2月27日でした。梅の開花日は、白色の梅が咲く標本木に5~6輪の花が咲いた状態になった最初の日をいいます。
大阪では大阪城梅林が有名でよく見に行きますが、昨年は二分咲きくらいの時に行ってしまい残念な思いをしたので、今年は満開を狙って見に行きたいと思います。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図







