Vol.405 5月31日号 「電動アシスト自転車の事故」
近年は電動アシスト自転車の販売が好調です。電動アシスト自転車は一般的な
自転車としての注意点のほか、アシスト機能※1があるバッテリー搭載の自転車
としての注意事項があります。アシスト機能の有無にかかわらず、自転車は
乗り始めてから1カ月を目安に点検が必要です。今年の春から乗り始めた方は
点検を受けると共に、乗車時の注意点を確認してください。
(※1)電動モーターによって、人の力を補助(アシスト)する機能のこと。
ペダルをこぐ際の力を感知し、最大2倍の電力補助をします。時速10kmを超えて
時速24kmまではその比率を速度に応じて徐々に下げ、時速24kmを超えると補助を
加えてはならないと道路交通法で定められています。速度が低く、力が必要な
ときは強く補助し、ある程度スピードが出てきたら補助しなくなる仕組みです。
項目一覧
- 1.電動アシスト自転車の事故
- 2.製品事故収集情報(5月8日~5月21日 受付 677件)
- 3.リコール情報(1件)
- 4.その他の製品安全情報
・「2022年度 製品安全基本教育講座」のご案内
・PSアワード2022募集開始のご案内
・「SAFE-Lite」のご案内
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.電動アシスト自転車の事故
【事例1】
坂道で電動アシスト自転車に乗って走り出そうとしたところ、電動アシスト
が効かずに転倒し、胸部を負傷した。
→使用者が平坦な道を走る際と同じギア比で坂道を上りはじめようとしたため、
後輪の駆動力が小さいまま上り坂で発進することになり、想定していたよりも
アシストが得られず、バランスを崩し転倒したものと考えられます。
【事例2】
電動アシスト自転車のスタンドを立てたところ、バッテリーが落下し、右足指
を負傷した。
→バッテリーが半ロック状態で取り付けられていることに気付かず、使用者が
スタンドを立てたため、衝撃でバッテリーが落下したものと考えられます。
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【電動アシスト自転車の気を付けるポイント】
○電動アシスト自転車の操縦に慣れるまでは人の多い道で乗らない
電動アシスト自転車は強くペダルを踏み込みすぎると急発進により転倒など
の事故にいたるおそれがあります。安全な場所で練習を行い、電動アシスト
の感覚に慣れてください。
○アシスト機能を過信しない
坂道など傾斜のある場所での発進では平坦な道よりも大きな力が必要になります。
平坦な道と同じこぎ出しを行った場合、アシストが不足しているように感じて
バランスを崩すおそれがあります。
○バッテリーを確実に取り付ける
バッテリーが確実に取り付けられていないと、バッテリーが足に落下したり、
走行中に脱落しバランスを崩して転倒したりするなど、けがのおそれがあります。
バッテリーを取り付けた後はぐらついていないかなど、確実に取り付けられて
いることを確認してください。
【自転車の気を付けるポイント】
○ハンドルにものをぶら下げない
ハンドルに買い物袋、かばん、傘などをぶら下げていると、車輪に巻き込まれて
ロックし、バランスを崩して転倒するため危険です。荷物はハンドルにぶら下げ
ず、かごに入れてください。
○走路の状況に注意する
木の枝やごみなどが落ちている場所を走行すると、車輪で跳ね上げて巻き込んで
しまうおそれがあります。走路の状況に注意してください。特に風の強い日や
その翌日はごみなどが散乱している場合があります。
○乗車前に各部を確認する
乗車前には必ず、車輪やハンドルまわり、ペダルに緩みやがたつきがないか
確認してください。
○ブレーキの効き具合は必ず確認する
ブレーキの効きが甘い状態で走行を続けると、制動不良などによって転倒する
おそれがあります。また、自分が転倒するだけでなく、歩行者などと衝突したり
巻き込んだりするおそれもあるため、必ず乗車前にブレーキの効きを確認して
ください。ブレーキレバーを握った際に緩んでいたり、逆に固すぎたりする場合は
調整が必要です。ご自身で調整を行うか、店舗に相談してください。
○初期点検は必ず受ける
自転車を購入してから1カ月ほど経過したら必ず初期点検を受けてください。
自転車は新車で乗り始めてからしばらくするとブレーキワイヤーなどが伸びます。
再度調整が必要になるので、必ず初期点検を受けてください。
■NITEでは2022年5月26日に電動アシスト自転車の事故に関する注意喚起
「正しい乗り方を確認 ~使用者増加中!電動アシスト自転車~」
をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2022fy/prs220526_00001.html
■その他の電動アシスト自転車の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
(1)電動アシスト自転車「1.乗車前の点検と注意点」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2022052601.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)自転車の製品事故防止
https://www.nite.go.jp/data/000137637.pdf
(2)自転車の製品事故
https://www.nite.go.jp/data/000004819.pdf
(3)自転車の製品事故防止のために
https://www.nite.go.jp/data/000004850.pdf
(4)自転車の製品事故防止のために
https://www.nite.go.jp/data/000004870.pdf
(5)子どもの自転車による事故
https://www.nite.go.jp/data/000065627.pdf
(6)スポーツ自転車による事故
https://www.nite.go.jp/data/000084769.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「電動アシスト自転車」等を
キーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(5月8日~5月21日 受付 677件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.洗面化粧台 ( 製品破損等 623件)
- 2.モバイルバッテリー ( 軽傷等 7件)
- 3.バッテリーパック ( 軽傷等 3件)
- 4.エアコン ( 死亡等 2件)
- 4.草刈機 ( 火災等 2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- パナソニック株式会社(法人番号:3120001236504)
「照明器具(卓上型)」2022/05/16(HP)
【詳細】https://panasonic.co.jp/ew/oshirase/220516/
4.その他の製品安全情報
・「2022年度 製品安全基本教育講座」のご案内
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
本講座は製品安全の基本から個別の製品についてのIEC安全規格の具体的な
要求事項に加えて、IEC62368-1や電気用品安全法の技術基準の性能規定化等
の最新情報や製品リスクアセスメントの方法を網羅しています。
なお、オンライン開催の手続きのため、募集締切が開催1か月前と従来より
早く設定されているため、受講ご希望の方はお早めに申込をお願いします。
【開催期間】 2022年 8月31日(水)~ 2023年 2月1日(水) (通年全6回/選択受講可)
【会 場】 Zoomによるオンライン
【参加費】 KEC会員 7,000円 非会員 10,000円 (1講座当たり)
【詳 細】 https://www.kec.jp/wp/img/committee/2022/anzen22.pdf
【申し込み先】https://www.kec.jp/seminar/anzen22/
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
専門委員会推進部 事務局 藤田 泰男
TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp
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・令和4年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2022)募集開始
経済産業省は、製品安全に積極的に取り組む企業・団体を表彰する
「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」を主催しています。
このたび、令和4年度の募集を開始しました。
消費生活用製品に関わる全ての企業・団体が応募対象になりますので、
奮って御応募ください。
【募集期間】 5月9日(月)~7月29日(金)
【募集対象】・「消費生活用製品」の製造・輸入、小売販売事業を行っている企業
・「消費生活用製品」に関連した事業を行っている企業・団体
・ネットモール運営事業者
【応募説明会・個別相談会】 オンラインでの実施となります。
詳しくはHPをご確認ください。
【詳 細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/index.html
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・「SAFE-Lite」のご案内
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を
発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、リコール
情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その中で、製品事故情報
をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「SAFE-Lite」という
サービスを提供しております。
「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの
言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる
危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
経済産業省
令和4年5月25日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
期報告がありました。令和4年4月1日から30日までの本体・バッテリ
ー交換件数は89件となっています。同社が対策を開始した平成22年8
月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は307,562件となってい
ます。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou220530_1.pdf
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
5/17 7件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220517_01.pdf
5/20 14件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220520_01.pdf
5/24 13件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220524.pdf
5/27 16件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220527.pdf
編集後記
私は大学時代から、電動アシスト自転車にお世話になっているのですが、
電動アシスト自転車は、バッテリーが搭載されている分、一般の自転車よりも
使用に気を付けなければいけないと思いました。皆さんもこの機会に気を付け
るべきポイントを確認して、安全に電動アシスト自転車に乗りましょう!
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図