Vol.370 12月9日号 「暖房器具の事故」
寒い季節となりました。コロナ禍の中、外出を控え家にいる時間も長くなり、例年よりも暖房器具の使用時間が増加していると考えられます。石油で暖める製品、電気で暖める製品、どちらも少しの油断が火災事故につながります。今回は暖房器具の事故をご紹介します。
項目一覧
- 1.暖房器具の事故
- 2.製品事故収集情報(11月22日~12月5日 受付68件)
- 3.リコール情報(2件)
- 4.その他の製品安全情報
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・最新!PL対策セミナー2020開催のご案内
1.暖房器具の事故
【事例1】
脱衣所で使用中の電気ストーブ付近から出火し、マットを焼損した。
→電気ストーブを可燃物(衣類)の近くで使用しその場を離れていたため、ヒーターの熱により可燃物が発火したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「燃えやすいものの近くで使用しない。火災のおそれがある。」旨、記載されている。
【事例2】
リビングでカセットボンベ式ガスストーブを使用中、爆発音がしたため確認すると、製品及び周辺を焼損する火災が発生していた。
→使用者がガスストーブを点火したまま部屋を離れたために、ガスストーブに可燃物(座椅子)が接触して火災が発生し、延焼した火によってカセットボンベが過熱されて破裂し、事故に至ったものと考えられる。事故発生当時無人だったが、ペットが部屋の中を自由に動ける状態だったため、ペットが可燃物を接触させた可能性が考えられる。
【事例3】
リビングでこたつを使用中、製品周辺を焼損する火災が発生した。
→こたつの横を通る際に足が掛け布団に引っかからないようこたつ布団をやぐらに押し込んで使用したために、こたつ布団が保護カバーに接触して焼損したものと考えられる。なお、本体及び取扱説明書には、「ふとんをやぐらの中に押し込んで使用しない」旨、記載されている。
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【事例1の注意事項】
ストーブの周囲に布団や衣類などを置いたり、カーテンの近くにストーブを置いたりすると、放射熱による過熱や高温部への接触によって、火災になるおそれがあります。
(※)放射熱とは、温度に依存する電磁波が放出され離れたところに熱が伝わる現象のことです。
【事例2の注意事項】
部屋から離れる際は必ず電源を切ってください。使用者本人は周囲から可燃物を取り除いたつもりでも、地震などで接触したり、ペットが可燃物を押して接触させてしまったりと、思わぬ事故が発生するおそれがあります。
【事例3の注意事項】
こたつの内側にこたつ布団を押し込まないでください。ヒーターに接触して火災に至る恐れがあります。背の高い座椅子なども使用していると、座椅子が布団を巻き込んで中に押し込む場合があるので、注意してください。
■NITEでは2020年11月26日に暖房器具の事故をプレスリリースしています。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs201126.html
■その他暖房器具に関する事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)電気ストーブ「1.洗濯物の落下」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01180101.html
(2)電気ストーブ「2.洗濯物の接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01180102.html
(3)電気ストーブ「3.ふとんの接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/02110102.html
(4)電気ストーブ「4.落下したタオルから発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/17112201.html
(5)電気ストーブ「6.消し忘れて洗濯物が接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2020112601.html
(6)こたつ「1.座椅子の押し込み」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190101.html
(7)こたつ「2.洗濯物の発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190102.html
(8)石油ストーブ「5.可燃物が接触して発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040106.html
(9)石油ストーブ「11.洗濯物の落下」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020112602.html
(10)石油ストーブ「11.洗濯物の落下」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020112602.html
(11)石油ストーブ「12.近くでアルコール消毒液を使用して引火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020112603.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)電気ストーブの事故
https://www.nite.go.jp/data/000087910.pdf
(2)電気ストーブの可燃物接触による火災
https://www.nite.go.jp/data/000116477.pdf
(3)電気こたつの事故
https://www.nite.go.jp/data/000086392.pdf
(4)電気こたつの事故
https://www.nite.go.jp/data/000004836.pdf
(5)石油ストーブでの火災
https://www.nite.go.jp/data/000055703.pdf
(6)消毒用アルコール使用時の注意点
https://www.nite.go.jp/data/000116479.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「ストーブ」、「ヒーター」、「こたつ」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(11月22日~12月5日 受付68件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.自転車 (重傷等 8件)
- 1.照明器具 (火災等 8件)
- 3.ガス給湯器 (製品破損 4件)
- 4.石油ストーブ (重傷等 3件)
- 4.エアコン (火災等 3件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社DAISHO (法人番号 2140001042190)
「パンプス」2020/09/25
【詳細】 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/recall_new/2020/2020092501.html - ・株式会社ヤマダホールディングス (法人番号 4070001011201)
「オーブントースター」2020/10/13(HP)
【詳細】 https://www.yamada-denki.jp/topics/download.t.pdf/2032
4.その他の製品安全情報
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 11/25 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201125_01.pdf
- 11/27 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201127_01.pdf
- 12/1 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201201_01.pdf
- 12/4 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201204_01.pdf
- 12/8 7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201208_1.pdf
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和2年11月30日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年10月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は110件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,957件となっています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou201130_1.pdf
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【最新!PL対策セミナー2020 12月17日開催】のご案内 一般社団法人PL対策推進協議会
「品質保証・PL対策」を学びたい方に向けて、Webセミナーを開催します。職場、自宅、出先の場所を選ばす、パソコン、スマホのどちらからでも学べます。解説資料も事前に配信いたしますので、受講前にご一読ください。合計150分の枠を使い、テーマを深堀してまいります。双方向での質問時間も取りますので、ぜひご準備ください。
●日時 令和2年12月17日(木) 13:30~16:10 休憩10分
受講方法 : Zoom配信が基本(会場参加希望者数名まで受け付けます)
当日開始時刻の30分前に、Zoomミーティングに参加するURLをメールで配信い
たします。
●資料代 3,000円(税込み) PDFデータでお届けいたしますので12月15日
までお振り込みください。
●講師 渡辺吉明氏
一社)PL研究学会製品リコール研究部会長・製品リコール検討委員会副委員長
●「最新!PL対策2020」~広義の品質保証とPL対策~(事業者向け導入ガイド)の
事前視聴をお勧めします。動画とPDF資料が用意されています。
https://pl-taisaku.org/?page_id=2304
●配布資料 PDFデータにて事前にメール添付で配信いたします。
「超スマート社会での品質保証とPL対策」~製品事故未然防止と再発防止~ 48ページ
「PL研究学会学会誌2020 新PL研究5号」からの抜き刷り16ページ
一般論文「製品リコールと自主回収のプロセスと重要事項」渡辺吉明氏
●内容 製品事故の未然防止と再発防止
一部 13:30~15:00(90分)
社会構造の変化、国の方向転換、製品安全のスマート化、リコールなどの国の取
り組みなど、さらにリコールプロセスにで「自主回収・リコール」の整理とPDCA、重
要事項の確認になります。
二部 15:10~16:10(60分)
リコール対応について事例紹介、所々で質問や意見をいただきます。特に本体表
示の高度化と取説の有効利用、取説や証明書のペーパーレス化を進め配信を行う
ことの重要性なども入れる予定です。
●お申し込み、詳細は以下のページから 次回は2021年1月21日(木)開催の予定です。
https://pl-taisaku.org/?p=2425
編集後記
子供の頃は石油ストーブへの給油を冬の仕事として一任されていました。子供からすれば灯油ポンプ(JIS名称では「石油燃焼器具用注油ポンプ」日常会話で使われることはあるのでしょうか。)を使用するのは存外楽しいことだったのですが、大人になってみると暖まった部屋から出て灯油を足しに行くというのは中々に大変なものです。こぼれさせないこと、漏れた分は必ず拭き取ることを厳命されていました。何故そうするのかは知らずとも、危険であることを伝え、その上で任せられるというのは学びの上で大切な行程だったのだと思います。
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https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
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- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
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