製品安全

Vol.335  6月25日号 「スプレー缶の事故」

もうすぐ夏がやってきます。
夏といえば、注意したいのは紫外線。お肌の大敵です。そこで活躍するのが、日焼け止めスプレー。髪、メイクの上からもさっとひと振りでき、便利なスプレータイプの日焼け止めを使っている方も多いのでは。今回は夏に活躍する、日焼け止め、制汗剤、冷却剤など、スプレー缶の事故をご紹介します。
 

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項目一覧

  • 1.スプレー缶の事故
  • 2. 製品事故収集情報(5月12日~5月25日 受付 80件)
  • 3.リコール情報(3件)
  • 4. その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・PL研究学会製品リコール部会の開催について 一般社団法人PL研究学会
    ・「2019年度 製品安全基本教育講座」のご案内 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター

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スプレー缶の事故

【事例1】
スプレー缶を使用後、たばこを吸うためにライターに着火したところ、周辺を焼損し、手足などに火傷を負った。

→室内でスプレー缶を使用した後にライターを着火したため、室内に滞留していたスプレー缶の可燃性ガス(LPガス)に引火して、火傷を負ったものと推定される。 なお、本体ラベルには、火気の近くで使用しない旨、注意表示されていた。

【事例2】
スプレー式の冷却剤を吹き付けたバンダナを肘部に巻いていたところ、翌日水ぶくれができ、凍傷と診断された。

→この冷却スプレーの成分は主にLPガスと水で、LPガスの気化熱により氷を作るものであるが、本来1~2秒吹き付けて使用するところ、約5秒吹き付けたため氷の量が多くなり、過剰の氷に長時間(約30分)接触したことで凍傷に至ったものと推定される。 なお、スプレー缶の裏には「適量(1~2秒)を吹き付ける」旨が記載されていた。

【事例3】
自動車の荷物スペースに置いていたスプレー缶が破裂し、車内の天井に突き刺さった。

→車内で直射日光が当たるなどしてスプレー缶が高温となり、上昇した内圧に耐えられなくなって破裂したものと推定される。 なお、製品には、40℃以上の環境下での保管を禁止する旨の注意表示が記載されていた。

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【事例1の注意事項】
使用時や使用後は出入り口を開けるなどして十分に換気を行ってください。可燃性ガスを含むスプレー缶の使用時はガスが滞留しないように気を付けてください。換気が終わるまでは、ライターや火花が発生する機器(ガスこんろ、換気扇、掃除機など)を使用しないでください。

【事例2の注意事項】
冷却スプレーは使用上の注意を読み、指定された距離や噴射時間等を守ってください。距離が近すぎたり、噴射時間が長すぎたりすると凍傷を負うおそれがあります。

【事例3の注意事項】
夏期は、車内の温度も非常に高くなり、車内にスプレー缶を放置するのは非常に危険です。直射日光が当たる場所や高温になる場所に置かないで下さい。缶が熱せられると、内部のガスが膨張して内圧が上がり、缶が破裂するおそれがあります。

【廃棄時の注意事項】
スプレー缶を捨てるときは、屋外の風通しのよい場所で、スプレーボタンを押すなどして中身を出し切ってください。スプレー缶を振って、「シャカシャカ」などと音がする場合は中身が残っています。スプレー缶に中身が残っている状態で穴を開けると漏れ出た可燃性ガスに引火するおそれがあります。なお、廃棄方法については、自治体の指示に従ってください。

スプレー缶による事故に関する資料も併せてご参照ください。

(再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)

  • (1)スプレー「1.冷却スプレーの可燃性ガスに引火」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250102.html
  • (2)スプレー「2.冷却スプレー使用後、シャツに着火」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250104.html
  • (3)ファンヒーター「2.スプレー缶の破裂」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03110201.html
  • (4)製品安全教育DVDハンドブック(スプレー缶の事故)
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/kyouzai/dvdhandbook2_spray.html

(注意喚起ミニポスター)
  • (1)冷やして殺す殺虫剤で火傷
      https://www.nite.go.jp/data/000004242.pdf
  • (2)スプレー缶の爆発・やけど
      https://www.nite.go.jp/data/000086403.pdf

その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「スプレー缶」をキーワードに検索していただけます。

  • https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(5月12日~5月25日 受付80件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.電気冷蔵庫 (火災等 8件)
  • 2.ガスこんろ ( 軽傷等 8件)
  • 3.いす ( 軽傷等 5件)
  • 4.ノートパソコン ( 火災等 3件)
  • 4.電子レンジ ( 火災等 3件)
  • 4.石油ストーブ ( 火災等 3件)
  • 4.迅速継手 ( 拡大被害等 3件)

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • inMusic Japan株式会社(法人番号 9010401097279)
    「スピーカー(充電式)」6/5(HP)
    【詳細】http://ionaudio.jp/news/
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  • バルミューダ株式会社(法人番号 1012701010928)
    「電子レンジ」6/13(HP)
    【詳細】https://www.balmuda.com/range-program
  •  
  • 株式会社ティーズファクトリー(法人番号 2120001106138)
    「ハンディファン」6/13(HP)
    【詳細】http://www.ts-fa.jp/about.html

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁


消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
  • 6/14   7件  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190614_0001.pdf
  • 6/18   11件  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190618_0001.pdf
  • 6/21   13件  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190621_0001.pdf
  • 6/25   13件  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190625_0001.pdf

・PL研究学会製品リコール部会の開催について  一般社団法人PL研究学会

日本でも大きな動きのある「製品リコール」の最新動向について、今年は国内に目を向け、大型・小型農業作業機械による重大事故等を中心に
研究を進めたいと思います。既に燕三条地域の JTDNA(消費者対応取扱説明書の普及を進めているNPO会員により地域内の農業従事者からのアンケートによる実態調査が開始されています。自由化が進む産業構造の中で、使わなくなった古い農機などが中古市場で販売され海外へ流出し事故を誘因する可能性が高くなっています。これらはリコール回収若しくは修理して安全性を確保する必要性の有無など、法環境も含め意見交換を下記の通り行ないます。

当学会の部会は、広く一般の方の参加を歓迎しています。平日に行ないますので、ご参加をお待ちしています。

  【開催日】 2019年7月22日(月) 13:30~16:00(13:00 受付開始)
  【会 場】 板橋グリーンホール504号会議室(定員50名)
        東京都板橋区栄町36−1
  【アクセス】都営三田線>板橋区役所前駅徒歩5分、
        池袋より東武東上線>大山駅徒歩7分
  【費 用】 会員無料、一般 500 円(資料代として当日受付でお支払い
        ください。領収書の必要な方は受付にお申し出ください)
   ※ 一般の方は名刺を受付時にお渡しください。
   ※ お身体のご都合でお車でのご出席の方は事前にご連絡ください。

  参加お申し込みは、PL研究学会ホームページ(下記URL)からご登録ください。
  (https://aplics.org/)

・「2019年度 製品安全基本教育講座」のご案内 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター

製品安全の基本から個別の製品についてのIEC安全規格の具体的な要求事項に加えて、IEC62368-1や電気用品安全法の技術基準の性能規定化等の最新情報を盛り込んでいます。(通年全7回/選択受講可)

  問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
        専門委員会推進部  事務局 河合 道雄、藤田 泰男
        TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp 

  【開催日】 2019年 8月30日(金)~ 2020年 2月21日(金) 計7回
  【会 場】 DKビル(旧電子会館) (大阪市 北区西天満 6-8-7)
  【参加費】 1回のみ受講:KEC会員9,000円(非会員12,000円)(税込み)
        4回以上受講:KEC会員7,000円 (非会員10,000円)(税込み)
            (1名、1回あたり)
  【詳 細】 https://www.kec.jp/seminar/anzen19/

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編集後記

夏。それはもう紫外線におびえる日々。日傘に手袋、日焼け止めをお守りのように携帯しても、やはり焼けてしまいます。昔は焼けている方が健康的だと、海で日焼け用オイルを塗っていました。今から考えれば恐ろしいことです。数年前ビーチで、キン肉マンのようなビニールのマスクをかぶって泳いでいる女性を何人も見かけました。なんでも中国で流行しているそうです。なんとも迫力のあるビジュアルですが、お肌のためなら、の女心でしょう。かくいう私も、ヒョウ柄があればちょっと試してみたいです。今年の夏、どこかのビーチでヒョウが出没するかもしれません。

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https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図