Vol.303 2月27日号 「電気カーペットによる事故」
2018.2.27 VOL.303
=======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
製品安全についての情報をお届けします。
(第2・4火曜日発行)
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NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
製品安全センター
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床面からじんわりと身体を温めてくれる電気カーペット。すぐに暖かく
なり、足の裏で感じる感触も気持ち良く、設置も簡単、冬の定番の製品
です。
しかし、使用方法を誤ると思わぬトラブルを招くことがあります。
今回は、電気カーペットによる事故を紹介します。
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項目一覧
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1.電気カーペットによる事故
2.製品事故収集情報(2月7日~2月20日 受付 148件)
3.リコール情報( 1件)
4.その他の製品安全情報
・「R-Map実践研究会」のご案内
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
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1.電気カーペットによる事故
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【事例1】
電気カーペットを使用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生した。
→敷物を重ね敷きした上にテーブルを乗せた状態で長期間使用してい
たため、発熱線にテーブル脚からの局所的な負荷が加わって断線し、
スパークが発生して焼損したものと考えられます。
なお、取扱説明書には、「脚の細いテーブルや椅子は、必ず当て板
や脚ゴムをする」、「保温性の良いものは置かない」旨、記載され
ていました。
【事例2】
電気カーペットのスイッチを入れたところ、製品を焼損する火災が
発生した。
→使用者は、製品の上に乳児用布団を常時敷き、常に「強」で使用し
ていました。保温性の高いものを上に敷いていたため、局部的な過
熱が生じ、被覆硬化及び発熱線が劣化して、発熱体が半断線状態に
なり、電源を投入時の突入電流により断線部でスパークが発生し、
事故に至ったものと考えられます。
なお、取扱説明書及びコントローラー裏面には安全上の注意として、
「座布団など保温性の高いものを長時間同じ場所にのせない」旨、
記載されていました。
【事例3】
電気カーペットを使用して就寝中、低温火傷を負った。
→使用者は製品のスイッチを入れたまま、翌朝まで就寝していました。
通電した製品の上で就寝していたため、低温火傷を負ったものと考
えられます。
なお、コントローラーと取扱説明書には、「就寝用に使用した場合、
低温火傷を起こす場合がある」旨、記載されていました。
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【事例1の注意事項】
脚の細いテーブルや椅子を直接電気カーペットに置かないでください。
内部のヒーターが損傷し、発火する恐れがあります。
【事例2の注意事項】
布団など、保温性の高いものを長時間、同じ場所に乗せないでくださ
い。その下の部分に局部的に熱が蓄積され、ヒーターが損傷して発火
するなどのおそれがあります。
【事例3の注意事項】
電気カーペットを就寝用に使用しないでください。長時間、身体の同
じ部位が触れて低温やけどを負う恐れがあります。
電気カーペットによる事故に関する資料も併せてご参照ください。
(注意喚起ミニポスター(動画等) 「1-27」)
http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-27
その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「電気カーペット」など
をキーワードに検索していただけます。
http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html
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2.製品事故収集情報
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消費生活用製品の事故情報収集状況
(2月7日~ 2月20日 受付 148件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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製品名 (事故状況と件数)
1. ブルーレイレコーダー (製品破損 60件)
2. フッドミキサー (製品破損 10件)
3. ガス給湯器 (製品破損等 9件)
4. 電気ストーブ (火災等 6件)
5. ガスふろがま (軽傷等 4件)
5. 石油ストーブ (火災等 4件)
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最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
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3.リコール情報
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(輸入)加賀電子株式会社(法人番号 4010001001752)
(販売)綜合警備保障株式会社(法人番号 3010401016070)
「GPS端末用ACアダプター」 2/17(HP)
【詳細】 https://www.alsok.co.jp/notice/1802_notice.html
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4.その他の製品安全情報
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「R-Map実践研究会」のご案内
一般財団法人日本科学技術連盟
第13年度R-Map実践研究会「成果発表会」
2017年度・一年間にわたる当研究会の活動の締め括りとして、その成
果を集約し、広く発表を行う「成果発表会」を開催します。
2018年度「リスクアセスメント実践研究会」の研究員としてお申込み
いただいた方は今回(2018年3月9日(金))の成果発表会の参加費は無
料となります。
【開催日】 2018年3月9日(金)
【会 場】 日科技連 東高円寺ビル
【時 間】 成果発表会 9:45~17:00
情報交流会(立食形式) 17:00~18:00
【参加費】 10,800円(税込・一般・賛助会員ともに)
【詳 細】 http://www.juse.or.jp/src/seminar/subpage/184/5/417
第1年度 リスクアセスメント実践研究会 ~実践力強化と異業種交流~
13年間にわたって開催されたR-Map実践研究会は、2018年度から「リス
クアセスメント実践研究会」としてリニューアルいたします。
これま以上に「リスクマネジメントの実践」にこだわった活動として、
参加者が問題を提起し、個々のレベルに合わせて解決の糸口を探りま
す。
【開催日】 2018年5月~2019年3月(全9回)
【会 場】 日科技連 東高円寺ビル
【参加費】 有料(一般・会員124,200円 /継続参加者108,000円)
【詳 細】 https://www.juse.or.jp/src/seminar/detail/page/1ra
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iPod nanoの製品事故に係る定期報告
経済産業省
平成30年2月16日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
期報告がありました。平成29年12月1日から31日までの本体・バッテリ
ー交換件数は1,160件となっています。同社が対策を開始した平成22年8
月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は286,785件となってい
ます。
http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180216_2.pdf
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消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
2/14 9件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180214_0001.pdf
2/16 5件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180216_0003.pdf
2/20 10件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180220_0001.pdf
2/23 10件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180223_0001.pdf
2/27 9件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180227_0001.pdf
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編集後記
電気カーペットやアイロンなどは電流が流れる時に発生するジュール熱
を利用しています。”ジュール”とは19世紀のイギリスの物理学者の名
前です。ジュールについて少し調べてみると、1840年頃、電流と熱の関
係を示すジュールの法則を発表します。その後、「熱の仕事当量を求め
た実験」という歴史に残る実験結果を発表しますが、無名だったためか、
醸造業者であったためか、学会誌から論文発表を拒否されるなど一般に
認められなかったそうです。しかし、後に偉大な物理学者となるトムソ
ンという人物がジュールの発表を聴いてその重要性を認識します。トム
ソンは後にケルビンと名乗りますが、その名前が絶対温度の単位”K”
に使用されます。トムソンの賞賛により徐々にジュールは支持されて行
きます。二人は親友となって共同で研究を行い、ジュール・トムソン効
果を発見します。
ジュール・トムソン効果は圧縮した気体を細い穴から噴出させて膨張さ
せると気体の温度が変化する現象で、現代では冷蔵庫やクーラーなどに
応用されています。
普段、何気なく使っている身の周りの製品には科学の法則が応用されて
いますが、それには意外な歴史があったりするのだなあと思いました。
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製品安全センター リスク評価広報課
(法人番号 9011005001123)
http://www.nite.go.jp/jiko/index.html
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