製品安全

Vol.302  2月13日号 「配線器具による事故」

 
                   2018.2.13 VOL.302
======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
                製品安全についての情報をお届けします。
                                   (第2・4火曜日発行)
             ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
               NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                              製品安全センター
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  「コンセントに届かない」、「1つのコンセント口からもう1つ電源をと
  りたい」・・・・。そんな時に活躍するのが延長コードやマルチタップ
  などの配線器具。生活の場にも仕事場にも必要な存在です。
  しかし、乱暴に扱ったり、間違った使い方をすると火災など事故になる
  ことがあります。
  今回は配線器具による事故を紹介します。

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               項目一覧 
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1.配線器具による事故

2.製品事故収集情報(1月17日~2月6日 受付  162件)

3.リコール情報( 7件)

4.NITEからのお知らせ

5.その他の製品安全情報
  ・「iNARTE PS(製品安全)受験講習会・資格認定試験」のご案内 
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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           1.配線器具による事故
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  【事例1】
        延長コード付近から出火し、周辺を焼損した。

   →使用者は軒下で2本の延長コードをつなげて電気洗濯機に給電して
    いました。このため、雨水や埃の影響で延長コードをつなげた箇所
    にトラッキング現象(※)が生じ、発火したものと考えられます。

    ※電源プラグを長期間差し込んだままにしていると、コンセントや
     電源プラグの周囲にほこりや水分が付着します。付着したほこり
     や水分によって、電源プラグ栓刃の間に微弱な電流が流れる状態
     となり、火花放電を繰り返すことによって電源プラグの樹脂部分
     が徐々に炭化して、電気の通り道(トラック)が形成されて異常
     発熱し、発火へと至る現象を「トラッキング現象」といいます。

  【事例2】
    事業所でコードリールに複数のバッテリーを接続して充電中、製品
    を焼損する火災が発生した。

   →使用者はコードリールのケーブルを巻いた状態のまま、延長コード
    を用いて合計30台の自動車用バッテリー充電器を接続していました。
    このため、許容値(6A)を超える電流が巻かれた状態のコードリー
    ルに長時間流れ、ケーブル内で蓄熱し発火に至ったものと考えられ
    ます。 
    なお、本体表示には「全部巻いたままで使用する場合は6A以下で使
    用する」旨、記載されていました。

  【事例3】
    遊技施設で延長コードに複数のディスプレイモニターを接続して使
    用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生した。

   →接続可能な最大電力(1500W)を大きく超えて多数のディスプレイ
    モニターを接続(最大2160W)し、長期間継続使用されていたため、
    延長コードの電源プラグ部が異常発熱して出火したものと考えら
    れます。 
    なお、本体表示には、「合計1500Wまで使用できる」旨、記載され
    ていました。

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    【事例1の注意事項】
   電源プラグはしっかりと差し込み、ほこりがたまらないように注意
   してください。また、水がかからないように使用してください。
   電源プラグにほこりや水分が付着したりすることによって、ショー
   トやトラッキング現象が生じるおそれがあります。また、屋外で使
   用する場合は屋外用の延長コードを使用してください。 

    【事例2,3の注意事項】
   配線器具には接続可能な消費電力が定められてます。電気製品を接
   続する際は、最大消費電力を越えないように注意してください。
   また、コードリールの場合、電源コードを全て引き出して使用する
   ものや、電源コードを全て引き出した状態と収納した状態とでは許
   容電流や接続可能な最大消費電力が異なるものがあるため、使用す
   る際は取扱説明書や本体表示指示・警告文を確認してください。
 

   NITEでは2018年1月25日に「冬場の安全な暮らしのために~延長コ
   ードやテーブルタップの正しい使い方~」をプレスリリースしてい
   ます。
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2017fy/prs180125.html
   
   配線器具に関する資料も併せてご参照ください。
  (注意喚起ミニポスター(動画等) 「1-30」「1-37」「1-40」)
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-30
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-37
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-40

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「配線器具」や「延長
   コード」などをキーワードに検索していただけます。
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html

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            2.製品事故収集情報            
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          消費生活用製品の事故情報収集状況    
                    (1月17日~2月6日   受付162件) 
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

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        製品名            (事故状況と件数)
      1. 石油ストーブ            (火災等   12件)
     1. 電気ストーブ            (火災等   12件)
     3. ガスふろがま            (火災等   11件)
     4. カラーテレビ             (製品破損  10件)
     5. ノートパソコン               (火災等     7件)
     5. 携帯電話機               (火災等     7件)
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   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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               3.リコール情報
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   株式会社サンエー・ビーディー(法人番号 3010901033788)
           「ブーツ」            12/12(HP)
   【詳細】 https://www.saneibd.com/topics/info/000036.html

   ピジョン株式会社(法人番号 8010001027298)
           「ベビーカー」           1/22(HP)
   【詳細】 https://www.pigeon.co.jp/news/assets/pdf/180122.pdf

   瀧住電機株式会社(法人番号 7120001010203)
             「照明器具」             1/29(HP)
   【詳細】 http://www.takizumi-denki.com/important/index4.html

   パナソニック株式会社(法人番号 5120001158218)
           「ミキサー」             1/31(HP)
   【詳細】 https://panasonic.co.jp/ap/s/mx/

   株式会社阪急スタイルレーベルズ(法人番号 3120001069243)
           「椅子」                 2/6 (HP)
   【詳細】 https://hsl.hankyu.co.jp/news/detail/130.html
       http://www.doubleday.jp/info/281

   レノボ・ジャパン株式会社(法人番号 2010401057479)
           「ノートパソコン」                2/7 (HP)
   【詳細】 https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/ht504453

   HTC NIPPON株式会社(法人番号 5010401071592)
           「スマートフォン用ACアダプター」  2/8 (HP)
   【詳細】 https://www.au.com/support/service/mobile/guide/smartphone/htv32/
       http://www.htc.com/jp/support/content.aspx?id=9483
            
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           4.NITEからのお知らせ
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      NITE YouTube公式チャンネルとTwitter 公式アカウントの 
               お知らせ

   NITEはYouTube公式チャンネルとTwitter 公式アカウントを開設し、国民
   の皆様や社会に向けた情報発信を始めました。

   NITE YouTube公式チャンネル
   https://www.youtube.com/channel/UCsJZusiI3qKtm_w0W4lRXEA

   製品事故の再現映像を中心に、NITEが携わっている5つの分野(製品
      安全の他、化学物質管理、バイオテクノロジー、適合性認定、国際評
      価技術)に関係する動画を随時掲載しています。 
   製品事故防止のための注意喚起などにもご利用頂けますので、ぜひ、
      チャンネル登録やをお願い致します!

   NITE Twitter 公式アカウント
   https://twitter.com/NITE_JP
 
   NITEが携わっている5分野について、くらしや産業に役立つ情報をお届
      け致します。
   たくさんの方に安全やイノベーションに関わる情報をご覧頂きたいので、
      たくさんの方のフォローやリツイートをお願いします!

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           5.その他の製品安全情報
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        「iNARTE PS(製品安全)受験講習会・資格認定試験」  
                のご案内 

                          一般社団法人KEC関西電子工業振興センター

    iNARTE PSエンジニア・テクニシャンの認定資格は、製品安全対策技術
    や製品安全規格の知見を有している事を認定する技術資格です。
    下記要領で受験講習会・資格認定試験を実施します。

     iNARTE PS(製品安全)エンジニア・テクニシャン受験講習会
  【開催日】 2018年4月20日(金)9:00~17:00
  【会  場】 電子会館4階会議室A(大阪市北区西天満)
  【受講料】 会員15,000円/非会員20,000円(税込み)
  【詳 細】 https://www.kec.jp/seminar/narte_ps18/

     iNARTE PS(製品安全)エンジニア・テクニシャン資格認定試験
  【開催日】 2018年6月15日(金)9:00~17:45
  【会  場】 大阪会場:CIVI研修センター新大阪東 E604
             東京会場:日本教育会館 8階 第三会議室
  【受講料】 16,000円(税込み)
  【詳 細】 https://www.kec.jp/seminar/narte_ps18/

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        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

      1/26 15件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180126_0001.pdf  
      1/30  11件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180130_0001.pdf
      2/ 2  8件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180202_0001.pdf
      2/ 6   5件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180206_0001.pdf
   2/ 9 10件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180209_0001.pdf

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                編集後記
                             
  電気の発見は紀元前600年頃のようです。哲学者のタレスが琥珀を布で
  こすると軽い糸くずなどが引き寄せられることを発見したそうです。そ
  の後、17~18世紀になってフランクリンが凧をあげて雷が電気現象であ
  ることを確認するなどの科学的な進歩が見られ、1799年にボルタが電池
  を発明し、1800年代後半になって電話、電球、無線通信などのように実
  用化されたようです。
  利用されるまでに2千年以上かかった電気ですが、現代でも照明によっ
  て明かりを得たり、エアコンによって涼や暖をとったり、テレビやネッ
  トから情報を得ていることなどを考えると、電気は人類史上最大の発見
  の一つではないかと思います。
  しかし、電気は通り道の一部が切れて狭くなったり、電流を流し過ぎた
  り、熱が逃げない状態で使用したりすると異常発熱や発火を引き起こし、
  最悪の場合、火災など大事故に至ることがあります。
  電気と上手に付き合うために、配線器具を正しく使いましょう。

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  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
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  致します。(PSマガジンのバックナンバーも掲載しています)      
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

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         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構 
                 製品安全センター リスク評価広報課
                 (法人番号 9011005001123)
                http://www.nite.go.jp/jiko/index.html

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