製品安全

Vol.176  9月11日号「高齢者に関する事故」

 ■■■◆                          2012. 9.11 Vol.176
 ■    ◆========= PSマガジン(製品安全情報マガジン)========== 
 ■■■◆             製品安全についての情報をお届けします。
 ■   ■■■                         (第2・4火曜日発行)
 ■    ■               <等幅フォントでご覧ください>
        ■■  ・・・‥‥…………………………………‥‥・・・
         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■  製品安全センター
======================================================================
 ハッピーマンデー制度により9月の第三月曜日が敬老の日なので今年は来週
の月曜日、9月17日が敬老の日です。「老人を敬愛し、長寿を祝う」ために
も、今回は高齢者に関する注意していただきたい事故をご紹介します。NIT
Eからのお知らせでは、「リコールなど注意を呼びかけています」の注意喚起
ちらしの追加などを掲載します。
======================================================================
               項目一覧 
======================================================================
1.製品事故収集情報
  ・高齢者に関する事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(8月22日~9月4日受付66件)

2.社告・リコール情報(0件)

3.NITEからのお知らせ
  ・「リコールなど注意を呼びかけています」の注意喚起ちらしの追加
  
4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
  ・「製品安全」セミナー参加者募集
  ・知の市場公開講座「ナノ材料総合管理」受講者募集
         
5.編集後記

===================================
            1.製品事故収集情報
===================================
       ◆◆◇   高齢者に関する事故   ◇◆◆

  ◇今回は、高齢者に関する注意していただきたい事故事例をご紹介しま
   す。  
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   
  (事例1)【バランスを崩して転倒】

     踏み台を使用して作業中に転倒し、打撲を負った。脚部が折損し
     ていた。(60歳代)

   → 事故品の支柱の強度には異常が見られず、支柱端部が通常の使用
     における荷重方向とは異なる内側方向に変形していたことから、
     事故の原因は、使用者が踏み台に乗って作業中、体のバランスを
     崩して、片側支柱に荷重が集中したか、または、転倒した際に、
     製品に接触し衝撃的な荷重が加わり折損したものと推定されます。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
  (事例2)【感覚機能の低下に伴う低温やけど】

     家人の世話によって、電子レンジ加熱式ゆたんぽに足をつけて就
     寝していたところ、足に低温やけどを負った。(70歳代)

   → 使用者は足が不自由で感覚が鈍い状態にあり、取扱説明書どおり
     の加熱では温かく感じなかったため、再加熱していることから、
     通常よりも高温となっている当該品に長時間同じ部位を接触させ
     たことで、低温やけどに至ったものと推定されます。
  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
  (事例3)【製品の操作ミスによる事故】

     電動車いすで走行中に溜め池に転落した。転落時に軽い打撲・擦
     り傷を負い病院に入院したが、後日、肺炎を発症し死亡した。
     (70歳代)

   → 使用者が、Uターン時に曲がりきれず、スイッチを後退に切り替
     えたつもりだったが前進させてしまい池に落ちたと証言している
     ことから、被害者の運転ミスによる事故と推定されます。
  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
  (事例4)【グリルの消し忘れ】

     集合住宅の一室から出火して、同室約40平方メートルを全焼し、
     家人1人が煙を吸うなどして病院に搬送された。(60歳代)

   → 事故前にグリルで魚を焼いていることから、火の消し忘れにより、
     受け皿に溜まった油脂等が過熱し、火災に至ったものと推定され
     ます。
  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
  
  ◇事例1、2のように、高齢者は身体機能及び感覚機能が低下している
   ことがあります。高齢者の自覚も必要ですが、周りの人も高所での作
   業を代わりにする、高齢者の感覚機能を把握するなど、配慮してくだ
   さい。
   
  ◇事例3のように、高齢者は新しいものへの適応に時間がかかるだけで
   なく、身体機能の低下により事故に遭う場合があります。製品の購入
   や買い換え時には事業者やケアマネージャー等に相談し使用者の体力
   にあった製品を選択しましょう。また、操作が単純な使いやすい製品
   を選択し、使用方法に慣れるまではサポートなどしてください。

  ◇事例4のように、高齢者ではガスこんろやストーブの消し忘れによる
   事故が多いです。燃焼機器などは自動消火装置など安全装置のあるも
   のを選択してください。また、日頃からグリル庫内は清掃してくださ
   い。
   
  ----------------------------------------------------------------
      ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (8月22日~9月4日受付66件)
 
  NITEに通知のあった事故情報から、収集件数の多い製品を掲載しま
  す。

       製品名         (事故状況と件数)
      ===================================================== 
      1.ガスふろがま     (火災等6件)
      2.エアコン       (火災等4件)
      3.扇風機        (火災等3件)
      3.IH調理器      (火災等3件)
      3.炭酸美容器      (重傷等3件)          
  
  ガスふろがまは発煙し、機器内部が溶融した事故で、炭酸美容器はホー
  ス部が破裂した事故等です。
    
  ◇過去の受付事故情報
   http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

  ◇調査が終了した事故情報の事故原因や再発防止措置などの検索 
   http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

  ◇事業者、消費生活センター、地方自治体、病院等の皆さま、事故情報
   をご提供ください。
   http://www.nite.go.jp/jiko/index10.html (Word版・PDF版)

===================================
            2.社告・リコール情報
===================================  
  8月29日~9月10日の期間に関係する社告・リコール情報はありま
  せんでした。
    
  ◇過去1年間の社告・リコール情報
   http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html 
  ◇社告・リコール情報の検索
   http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

===================================
           3.NITEからのお知らせ
===================================     
  ◆◆◇       注意喚起ちらしについて        ◇◆◆

  NITEで収集した事故情報を基に作成した注意喚起ちらしをホームペ
  ージに掲載しております。地域や社内回覧にご利用ください。

  注意喚起ちらしの追加
   ・「リコールなど注意を呼びかけています(No.37)」
    内容:食器洗い乾燥機、ガラス製コップなど
    http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/data/pdf/80_recall37.pdf

  ◇過去の注意喚起ちらしの情報
   http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/chirashi.html

===================================
           4.その他の製品安全情報
===================================
  ◆◆◇  消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
                              消費者庁
  
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
  のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  9/11 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120911kouhyou_1.pdf
  9/07 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120907kouhyou_1.pdf
  9/04 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120904kouhyou_1.pdf
  8/31 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120831kouhyou_1.pdf
  8/28 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120828kouhyou_1.pdf

  ----------------------------------------------------------------
  ◆◆◇      「製品安全」セミナー参加者募集     ◇◆◆
                      一般財団法人日本規格協会

  【テーマ】製品安全に関する海外の諸制度を知り対応する
  【開催日】2012年10月31日(水) 13:10~16:45
  【会場】 日本規格協会 本部ビル 6階 大講堂(東京都港区赤坂)
  【参加費】有料(一般10,500円・会員9,450円)
   【詳 細】 http://www.jsa.or.jp/standard/meeting_02.asp?fn=ps6.htm

    ----------------------------------------------------------------
  ◆◆◇ 知の市場公開講座「ナノ材料総合管理」受講者募集  ◇◆◆
                    早稲田大学 規範科学総合研究所

  早稲田大学規範科学総合研究所では日本社会の最大の災禍のひとつとし
  て将来にわたって大きな課題となっているアスベストの管理、またナノ
  材料を取り巻く情勢とリスクの評価や発がん性、管理のあり方について
  の講座の受講者を募集しています。

  【科目名】ナノ材料総合管理
  【日 程】2012年9月27日~2013年1月17日
       毎週月曜日 18:30~20:30
  【場 所】早稲田大学理工学部
  【受講料】無料
  【詳 細】 http://www.waseda.jp/prj-iirs/sc/pg115.html

                    
===================================
              5.編集後記
=================================== 
  僕の祖父と祖母はみんな北海道にいるので、石油ストーブ・電気毛布
  ・ゆたんぽなどの暖房器具や、雪かきのための除雪機やはしごなどに
  囲まれた生活をしています。気を付けて使用していると思いますが、
  この仕事をしていると心配になります。また、単純に雪道での転倒も
  危険です。60近い母親は昨年の冬に雪道で転倒し、足を骨折して、
  入院中の病院から毎日メールが来ました。めったに連絡をよこさない
  息子にかまって欲しかったのでしょう。
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
  
  PSマガジンの普及にご協力をお願いいたします。PSマガジンの配
    信先のご紹介、広報誌等への掲載を歓迎いたします。
  
  このメールマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」
  欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご
  連絡ください。
  ( mailto:ps@nite.go.jp )

  配信登録や解除、配信メールアドレスの変更は、下記HPからお願い
  いたします。(過去のPSマガジンも掲載しています)
    http://www.nite.go.jp/jiko/psm/index.html
  
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
          【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構 
                  製品安全センター 製品安全調査課
                                    http://www.jiko.nite.go.jp/

PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe ReaderはダウンロードページGet ADOBE READERよりダウンロードできます。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図