Vol.87 12月17日号「電気こたつによる事故」
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http://www.jiko.nite.go.jp/
==================2008.12.17 Vol. 87====================
今回は、電気こたつの事故をご紹介しています。事故100選は、温熱電位
治療器から発火した事故です。
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目次
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1.製品事故収集情報
・電気こたつによる事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況(11月26日~12月9日受付204件)
2.社告・リコール情報(12件)
3.関係機関の製品安全情報
・製品安全に関する韓国知識経済部との協力ガイドラインの合意について
経済産業省
・第23回製品安全点検日セミナー開催について 経済産業省
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 経済産業省
4.事故100選
第54回 温熱電位治療器から発火した事故
5.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ 電気こたつによる事故 ◇◆◆
◇今回は、ご注意いただきたい電気こたつの事故事例をご紹介します。
(事例1)木造2階建て住宅から出火して、約96平方メートルを全焼
し、家人3人がのどに軽い火傷を負いました。
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→ 電気こたつの電源コード断線部に溶融痕が認められることから、コ
ード部分がトレーニングマシンの台座部分に長期間踏みつけられてい
たことにより絶縁被覆が損傷・劣化して、芯線同士が短絡・スパーク
し、発火・延焼したものと推定されます。
(事例2)木造2階建て集合住宅の一室から出火して、同室約35平方
メートルを全焼しました。
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→ こたつのコードの被覆が摩耗し、芯線が露出しているにもかかわら
ず使用し続けたため、短絡・スパークし火災に至ったものと推定され
ます。
(事例3)こたつの温度調節を「中」にしても「強」と同じで温度が下
がらず、少し中に入っていた掛けふとんの中心付近が焦げま
した。
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→ こたつに使用していた長方形の掛けふとんがこたつ内部に巻き込ま
れていたため、ヒーターユニットと接触・蓄熱し、ふとんを焦がした
ものと推定されます。なお、ヒーターユニットに温度調節の不具合や
過熱等の異常は認められませんでした。
◇電気こたつに限らずですが、事例1のように電源コードが家具等の下敷きに
なったまま使用し、出火に至った事故は少なくありません。事例2のように、
電源コードに傷や折れなどがあったり、こたつの電源が入ったり切れたりす
るなどの異常がある場合は、すぐに使用を止めて、メーカーや販売店にご連
絡ください。事例3のようにこたつの中に、掛けふとんを巻き込んだり、洗
濯物を入れたりすると発火のおそれがありますのでご注意ください。
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(11月26日~12月9日受付204件)
NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
製品名 (事故状況と件数)
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1.電気ストーブ (発火等 20件)
2.ガスこんろ (火災等 18件)
3.石油ストーブ (火災等 10件)
4.カラーテレビ (発火等 8件)
5.石油給湯機 (発火等 6件)
電気カーペット (焦げ等 6件)
最近1週間に受付をした事故情報について毎週金曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
→ http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html
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2.社告・リコール情報
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◇シャープ株式会社(製造・販売)/パナソニック株式会社(旧松下電器産業
株式会社)(販売)/日本ビクター株式会社(販売)「液晶プロジェクター」
(回収)(H20/12/03)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008120301.html
◇ワタナベ工業株式会社(製造、販売) 株式会社山善(販売)
「電気ミニマット(再社告)」(回収交換)(H20/12/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008120101.html
◇アイシン精機株式会社(製造、販売)/積水化学工業株式会社(販売)/
株式会社長府製作所(販売)/株式会社マキタ電機製作所 (現在は株式会社
マキタ)(販売)「温水洗浄便座)」(注意喚起)(H20/11/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112602.html
◇株式会社INAX(販売)日本総合住生活株式会社(販売)ブラザー工業株
式会社(販売)旧松下電工株式会社(販売)「温水洗浄便座)」
(注意喚起)(H20/11/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112601.html
◇岩谷産業株式会社(販売元)株式会社千石(製造元)
「電子レンジ(再々社告)」(2003年09月02日、2008年03月12日に行った
社告の再々社告)(無償点検・修理)(H20/11/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112504.html
◇株式会社山善(販売元) 株式会社ミュージーコーポレーション(輸入元)
「電気ストーブ(再社告)」(2004年02月12日に行った社告の再社告)
(無償修理又は交換)(H20/11/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112503.html
◇株式会社山善(販売) 株式会社ミュージーコーポレーション(輸入)
「電気たこ焼き器(再社告)」(2005年08月01日に行った社告の再社告)
(無償修理又は交換)(H20/11/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112502.html
◇株式会社山善「ハロゲンヒーター(再社告)」
(2004年10月13日に行った社告の再社告)(代金返還)(H20/11/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112501.html
◇イケア・ジャパン株式会社「ブラインド」(修理キット無償送付)(H20/11/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112103.html
◇ヤーマン株式会社(輸入元)「振動ベルト」(無償交換)(H20/11/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112102.html
◇タビオ株式会社「靴下」(回収(代金払戻))(H20/11/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008112101.html
◇三洋アクア株式会社「洗濯乾燥機(再社告)」(無料点検・修理(類似する
製品につきましても、より安全にご使用いただくために、無料点検・修理を
いたします。))(H20/11/18)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008111801.html
■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■
【過去1年間の社告・リコール情報】
http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
【社告・リコール情報の検索】
http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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3.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ 製品安全に関する韓国知識経済部との ◇◆◆
協力ガイドラインの合意について
平成20年12月12日(金)、経済産業省は、大韓民国知識経済部(*)
と担当部局間でガイドライン(協力実施指針)に基づき、製品安全に関する二
国間協力を進めていくことで合意しました。
(*) 韓国において消費者生活用製品の安全に関して責任を有する規制当局。
品質経営及び工産品安全管理法、電気用品安全管理法の実施を所管。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20081212004/20081212004.html
◆◆◇ 第23回製品安全点検日セミナー開催について ◇◆◆
経済産業省は、第23回製品安全点検日セミナ-を1月13日(火)、広島
にて開催します。セミナ-第1部では、最近の事故例やトピックス、実際に起
きた事故例の再現実験映像を用いて紹介します。また、テレビなどでもおなじ
みのタレント、清水国明さんが「私の製品安全チェック」(仮)をテ-マに講
演予定です。
セミナ-第2部は、事業者の皆さま向けに、長期使用製品安全点検(表示)
制度、リチウムイオン蓄電池、ガスこんろ、石油ふろがま等石油燃焼器具の安
全基準について説明会を開催します。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20081210004/20081210004.html
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
12/16 http://www.meti.go.jp/press/20081216004/20081216004.html
12/12 http://www.meti.go.jp/press/20081212007/20081212007.html
12/09 http://www.meti.go.jp/press/20081209006/20081209006.html
12/05 http://www.meti.go.jp/press/20081205004/20081205004.html
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4.事故100選
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第54回「温熱電位治療器から発火した事故」
◇平成19年、温熱電位治療器の電源を入れて約2時間後、当該製品から煙が
出てふとんやシーツの一部を焦がす事故が発生し、消費生活センターからN
ITEに通知がありました。事故が起きた製品は、敷ふとんタイプの温熱電
位治療器で、使用者によると、ふとんを暖めるために電源を入れていたら発
煙したとのこと。また、数日前から使用中に中央部が熱くなっていたとのこ
とでした。
◇当該製品は、表外被(ポリエステル)、裏外被(ポリエステル)、ウール綿、
綿ブロード、ウレタン、硬綿(ポリエステル)の6層で構成され、カーボン
発熱シートが硬綿に接着されているものでした。事故品の上面には直径3cm
ほどの焼損が認められ、内部を確認すると、カーボン発熱シートが折れ重な
って3重になっており、その部分が焼け焦げて穴が空いていました。カーボ
ン発熱シートには、4ヵ所に温度ヒューズが取り付けられていましたが、コ
ントローラー部のヒーターに導通があったため、断線していないことが確認
できました。また、カーボン発熱シートの温度検知には感熱線が使用されて
いましたが、一部外れている箇所がありました。
◇以上のことから、事故品は、カーボン発熱シートの接着不良によって、カー
ボン発熱シートが部分的に折り重なる状態となったため、熱がこもって温度
が異常に上昇し、加えて、カーボン発熱シートの温度検知をする感熱線の接
着が外れて位置がずれたため、温度検知できない箇所が生じ、当該製品やシ
ーツ、掛け布団を焦がしたものと推定されます。
◇当該製品は、製造事業者が事故が起きる前の昭和63年と平成19年に新聞
社告を掲載して無償点検・交換を行っているものでしたが、社告内容は今回
の事故原因とは違うものでした。なお、当該製品は既に生産を終了し、後継
機種については、カーボン発熱シートの接着状態の検査の徹底を図るととも
に、温度検知を感熱線から感熱シートに変更し、検知漏れがない構造にして
います。
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5.編集後記
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今年最後のPSマガジンをお届けしました。来年は、1月7日(水)の配信
を予定しております。今年1年、PSマガジンをご覧いただきまして、ありが
とうございました。皆さま、良いお正月をお過ごしください。
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◇事故情報の検索
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
◇製品の事故情報をお寄せください
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.nite.go.jp/jiko/index2.html
【通知様式】 http://www.nite.go.jp/jiko/index10.html (Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp
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【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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