製品安全

Vol.52  7月 4日号「ガラス製魔法瓶の破損事故(続編)」

 ■■■◆        
 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
 ■■■◆           PSマガジンは製品安全についての情報を
 ■   ■■■       お届けします。    (隔週水曜日発行)
 ■    ■               <等幅フォントでご覧ください>
        ■■  ・・・‥‥…………………………………‥‥・・・
         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

===================2007.7.4 Vol. 52=====================

 梅雨も本格的になりました。今号はガラス製魔法瓶の破損事故の続編をご紹
介しています。事故100選は「タイヤがひび割れた事故」です。
 
======================================================================
                 目次 
======================================================================
1.製品事故収集情報 
  ・ガラス製魔法瓶の破損事故(続編)
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(6月14日~6月27日受付416件)
2.社告・リコール情報(8件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・電気こんろ事故の再発防止に向けた抜本的対策について 経済産業省
  ・第5回製品安全点検日セミナー開催のお知らせ     経済産業省
  ・平成19年度製品安全対策優良企業経済産業大臣表彰について
                             経済産業省 
  ・消費生活用製品安全法特定製品(家庭用の圧力なべ)の回収について
                             経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   経済産業省
  ・信頼性・保全性シンポジウム
     -安全と安心を守る「使用の信頼性」-(財)日本科学技術連盟
4.事故100選
   第21回「タイヤがひび割れた事故」
5.編集後記
===================================
            1.製品事故収集情報
===================================

      ◆◆◇ ガラス製魔法瓶の破損事故(続編) ◇◆◆

◇前回、ガラス製魔法瓶の中びんが破損する事故についてご紹介しました。今
 回も続編として1事例をご紹介いたします。

  (事例)  
   中学生が湯を入れた魔法瓶を持って体育館の座席通路を通っていたとこ
   ろ、魔法瓶が座席に当たり、本体底部から熱湯と中びんのガラスが噴出
   して、ふくらはぎにかかり火傷を負いました。

◇事故が起きた製品は、卓上用のガラス製魔法瓶(2.5リットル)で、購入後
 5ヶ月ほどの使用でした。同等品を調査したところ、中びんのガラスはソー
 ダ石灰ガラスで、口部にひずみ(干渉色)がありましたが、耐衝撃試験では
 JISを満足しており、ある程度の衝撃にも耐えるものと考えられました。
 しかし、事故は軽い衝撃で破損に至っていることから、ガラスの中びんに何
 らかの原因で傷があった可能性が考えられます。傷については明確な破壊起
 点が確認できず、原因の特定はできませんでした。

◇当該製品は、一見、電気湯沸かしポットと同じ形状なので、事故に遭った中
 学生の保護者はガラス製という認識がなく購入し、割れて初めてガラス製と
 気づいたとのこと。そのため、体育館まで保護者が運転する自動車に載せる
 など、持ち運ぶ使用をしてしまったようです。この製品は卓上用で、使用上
 の注意として、振動のある自動車での使用を禁止し、強い衝撃を与えないよ
 うにと記載されていました。

◇近年、中国等から輸入されたガラス製の魔法瓶は、ステンレス製ポットと比
 べて安価なため手軽に購入し、ガラスと知らずにステンレス製と同じように
 扱ってしまうことがあるようです。事例のように、卓上用を頻繁に外に持ち
 運んで使用するなど、ちょっとした使用方法の間違いが思いもかけず大きな
 事故に繋がる場合があります。購入前に表示を確認して、用途に合ったもの
 をご購入ください。また、使用前に取り扱い説明書、表示を必ずご確認くだ
 さい。

     ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (6月14日~6月27日受付416件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。 
                  
     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.デスクマット      (皮膚炎  226件)[-55]
    2.ガスこんろ       (火災    24件)[+ 5]
    3.パソコン周辺機器
        (ケーブルモデム) (火災    13件)[+13]
    4.自転車         (破損等    9件)[-13]
    5.電気こんろ       (火災等    6件)[+ 3]

 今回、デスクマットによる皮膚障害の事故報告が226件ありました。これ
は、社告対象品で交換がなされているもので、平成18年以前に起きた事故も
含まれています。パソコン周辺機器(ケーブルモデム)は同一の製造事業者か
らまとめて報告があったものです。

 <最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

===================================
            2.社告・リコール情報
===================================

◇株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部
 「カラーテレビ」(無償点検・修理)(H19/06/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070621a.html

◇世界長株式會社(発売元)「子供サンダル」(自主回収・返金)(H19/06/20)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070620.html

◇株式会社インターコンプ(発売元)/株式会社ベスト電器(販売店)/住友
 商事株式会社(輸入元)「ハロゲンヒーター」
 (製品引取・返金)(H19/06/14)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070614.html

◇三菱重工空調システム株式会社 「加湿器」(無償交換(電源コード))
 (H19/06/12)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070612b.html

◇三協立山アルミ株式会社「カーポート」(無償点検・修理)(H19/06/12)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070612a.html

◇貝印株式会社「ピーラー」(製品交換・返金)(H19/06/11)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070611.html

◇株式会社ノーリツ(製造・販売元)/株式会社日立ハウステック(販売元)
 /北海道ガス株式会社(販売元)/東京ガス株式会社(販売元)
 /東邦ガス株式会社(販売元)/大阪ガス株式会社(販売元)
 /西部ガス株式会社(販売元)
 「ガスふろ給湯器」(無償点検)(H19/06/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070609.html

◇日立アプライアンス株式会社(旧社名 日立ホーム&ライフソリューション
 株式会社)「電気生ごみ処理機(再社告)」(無償修理交換)(H19/06/05)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070605.html


■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

===================================
            3.関係機関の製品安全情報
===================================

 ◆◆◇ 電気こんろ事故の再発防止に向けた抜本的対策について ◇◆◆

 小形キッチンユニット用電気こんろにおいて、体や荷物がつまみ(スイッチ
操作部)に触れてスイッチが入り、電気こんろ上や周囲に置いてあった可燃物
が発火する事故が現在でも相次いで発生しています。このため、経済産業省は、
電気こんろメーカ、キッチンユニットメーカ及び小形キッチンユニット用電気
こんろ連絡協議会に対し、抜本的な改修作業の実施を指導しました。こうした
指導を受け、7月3日、電気こんろメーカ及びキッチンユニットメーカ13社
は、新たに小形キッチンユニット用電気こんろ協議会(以下「協議会」)を設
立し、改修を進めるための抜本的な対策を講じることとし、メーカ各社及び協
議会は今年度中に改修率100%を目指した取組及び協議会加盟各社が把握し
ている事故件数について公表します。また、同省は、事故の再発防止の観点か
ら、該当機種を公表して注意喚起するとともに、該当機種を使用の消費者に、
各社が設けるフリーダイヤルへの早急な連絡を呼びかけています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070703005/20070703005.html
   
   ◆◆◇ 第5回製品安全点検日セミナー開催のお知らせ ◇◆◆

 経済産業省は、本年3月から毎月第二火曜日を『製品安全点検日』とし、製
品の安全な使用方法等について情報提供を行っています。同省は、第5回セミ
ナーを7月10日に開催します。今回は、「夏の製品事故について」というテ
ーマで事故事例の紹介などを行う予定です。

 【日 時】平成19年7月10日(火) 9:30~11:30 
 【会 場】主婦会館プラザエフ(東京都千代田区6番町15番地)
 【参加費】無料 
 【定 員】100名(先着順)

 【詳 細】 http://www.meti.go.jp/press/20070703003/20070703003.html
 【申込み】 http://www.nite.go.jp/jiko/anzenweek/070710.html

     ◆◆◇ 平成19年度製品安全対策優良企業 ◇◆◆
           経済産業大臣表彰について

 経済産業大臣は、今年度より、製品安全に対して積極的に取り組み、かつ、
消費者からも高く評価された企業を選考し、表彰します。経済産業省では、平
成19年度は、6月25日(月)より募集を開始し、11月に開催される製品
安全総点検週間において結果を公表します。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070625006/20070625006.html

      ◆◆◇ 消費生活用製品安全法特定製品 ◇◆◆
        (家庭用の圧力なべ)の回収について

 平成17年11月から平成19年4月まで、三星刃物株式会社が輸入し、栗
林商事株式会社が販売した家庭用の圧力なべ(型番:MR-180、MR-2
00、MR-220)について、消費生活用製品安全法で定める技術基準を満
たしていないにもかかわらず、技術基準に適合していることを示すマーク(P
SCマーク)を付して販売していたことが判明しました。
 経済産業省は、当該製品の使用者に対し、使用の中止と製品回収のために事
業者に連絡するよう、注意を呼び掛けています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070626004/20070626004.html

  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
 7/ 3 http://www.meti.go.jp/press/20070703004/20070703004.html
 6/29 http://www.meti.go.jp/press/20070629012/20070629012.html
 6/27 http://www.meti.go.jp/press/20070627007/20070627007.html
 6/26 http://www.meti.go.jp/press/20070626003/20070626003.html
 6/21 http://www.meti.go.jp/press/20070621002/20070621002.html

     ◆◆◇   信頼性・保全性シンポジウム   ◇◆◆
         -安全と安心を守る「使用の信頼性」-

 財団法人日本科学技術連盟では、最近の製品事故を踏まえて、安全に安心し
て暮らせる社会に貢献できる「使用の信頼性」について、幅広く発表、講演、
討論を行う信頼性・保全性シンポジウム(有料)を開催します。

 【開催日】平成19年7月17日(火)~18日(水)
 【会 場】国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟
      (東京都渋谷区代々木神園町)
 【問合せ】(財)日本科学技術連盟 事業部クオリティマネジメント一課
       信頼性担当 TEL 03-5378-9850
       E-mail mailto:re-group@juse.or.jp
 【詳 細】プログラム、時間、申込み方法等は以下のアドレスをご参照く
      ださい。
 http://www.juse.or.jp/reliability/symposium_37r&ms_participate.html

===================================
             4.事故100選
===================================

        第21回「タイヤがひび割れた事故」

◇平成14年、3年前に新車で購入した自動車のタイヤがひび割れたという事
 故情報が寄せられました。

◇ひびは、4本のタイヤの側面のほぼ全面、外側、内側ともに入っていました。
 使用者によると、購入後1年ほどでひびが入り出したとのこと。冬季(毎冬
 3ヶ月、計6ヶ月)は冬用タイヤを使用していたため、その間、物置小屋に
 入れて保管されていました。また、タイヤのつや出し剤を定期的(2週間~
 1ヶ月に1回程度)に使用していたとのことでした。

◇タイヤのひびは、オゾンや紫外線などの影響が考えられます。通常は、タイ
 ヤには老化防止剤が配合されていますが、購入後1年でひびが発生している
 ことから、ロット不良などにより、製造当初から老化防止剤の含有量が規定
 量よりも低いか配合されていなかったことも考えられました。そこで、タイ
 ヤの老化防止剤の含有率について調べたところ、特に問題はありませんでし
 たが、含有率はタイヤの表面側になるほど減少する傾向が見られました。

◇次に、使用者がタイヤに定期的につや出し剤を使用していたことから、タイ
 ヤつや出し剤の影響を調べたところ、つや出し剤に含まれるシリコン系化合
 物によって、タイヤ表面の老化防止剤が流出することが判りました。このこ
 とから、タイヤ表面がオゾンや紫外線の影響を受け続けたため、ひびが入る
 に至ったと推定されます。なお、当該製品には、使用頻度やタイヤの品質に
 影響を与える旨の表示はありませんでした。

◇製造事業者によると、当該製品は既に生産を中止しており、現行の製品はシ
 リコン系化合物の含有量が少なくなっているとのこと。製造事業者は、今後
 表示の改善を検討することとしました。

  (注)自動車に係る事故の情報は、現在受け付けておりません。

===================================
              5.編集後記
===================================

 今回は、経済産業省主催の「第5回製品安全点検日セミナー」をご紹介する
ことができました。いつもタイミングが合わず、配信日には定員に達していて
ご紹介することができなかったのですが・・・。まだ空きはあると聞いていま
すが、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
 
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・

 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
※このメールマガジンは配信登録いただいたメールアドレスに配信しています。
間違えて配信されていましたら、お手数ですが、以下のメールアドレスまでご
連絡ください。( mailto:ps@nite.go.jp )

 このメールマガジンに関するお問い合わせ、転載のご要望等は、以下のメー
ルアドレスまでお願いいたします。( mailto:ps@nite.go.jp )

 「関係機関の製品安全情報」欄へ掲載のご希望がありましたら、以下のメー
ルアドレスあてにご相談ください。対象は製品安全に関連する情報です。
( mailto:ps@nite.go.jp )

配信の登録解除・配信メールアドレスの変更はこちらから
http://www.jiko.nite.go.jp/psm/
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図