製品安全

Vol.42  2月 9日号「電気あんかの事故」

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====================2007.2.9 Vol. 42=====================

 今回も身近な暖房器具として、電気あんかの事故事例をご紹介しています。
事故情報特記ニュースは、電子レンジ加熱式湯たんぽの事故について追加して
います。事故100選は、自転車用空気入れの事故です。

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                目次 
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1.製品事故収集情報 
   ・電気あんかの事故
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(1月25日~2月7日受付237件)
   ・事故情報収集制度対象外の事故(4件)
2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース(2件)
3.社告・リコール情報(20件)
4.関係機関の製品安全情報
  ・全国6都市で改正消費生活用製品安全法の説明会を開催  経済産業省
  ・「野球及びソフトボール用胸部保護パッド」「プラスチック浴そうふた」
  「住宅用金属製脚立」「自転車用幼児座席」のSG新基準の策定について
                              経済産業省
  ・三洋電機株式会社製洗濯乾燥機のリコールにかかる再社告について
                              経済産業省
4.事故100選
   第14回「自転車用空気入れの破損事故」(前編)
6.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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          ◆◆◇ 電気あんかの事故 ◇◆◆

◇前回の電気カーペットと同様に、電気あんかも、つい取扱説明書や注意表示
 をよく読まずに使ってしまいがちな製品です。今回は、消費者の誤使用や不
 注意による電気あんかの事故事例をご紹介します。

  ・木造住宅の寝室から出火し、約173平方メートルを焼損した。
  ----------------------------------------------------------------
   事故品は、電源コードの本体側プロテクタ付近が断線し、芯線にキン
  ク(ねじれ)が認められました。プロテクタ部に過度な屈曲が繰り返さ
  れたため半断線状態になっていたところに、通電状態のまま布団ととも
  に折りたたんでいたことから、プロテクタ部にストレスが加わり、ショ
  ート、スパークしてふとんに着火し、延焼したと推定されます。

  ・電気あんかを使用して就寝したところ、左足首に近い部分に直径2
   cm程の円形の水泡が生じ、低温火傷と診断されました。
  ----------------------------------------------------------------
   長時間電気あんかと接触して使用したため、低温火傷を負ったと推定
  されます。取扱説明書、本体には、低温火傷に関する注意が記載されて
  いました。

◇電源コードの本体側の付け根部分(プロテクタ)などに負荷がかかると、
 芯線を傷めてしまうことがあります。コードを電気あんかに強く巻きつけ
 て収納したり、コードをねじったまま使用したり、ちょっとしたことでも、
 長期間続けて負荷をかけてしまうと、芯線が痛む原因になります。取扱説
 明書や本体に記載されている注意事項を守るようにしてください。

◇電気あんかを長時間皮膚に接触させていると、低温火傷になる恐れがあり
 ます。厚手のタオルなどを巻いて、身体から離してご使用ください。小さ
 なお子さんや高齢の方の場合は、特に注意してご使用ください。また、電
 気あんかに限らず、湯たんぽなども低温火傷の恐れがありますので、同様
 にお願いします。

    ◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (1月25日~2月7日受付237件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
    製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
   ===============================================================
    1.フライパン      (折りたたみ等 17件)[+16]
     .電気ストーブ     (火災等    17件)[- 9]
    3.ガスこんろ      (火災     16件)[- 1]
    4.ストーブ(*1)     (火災     13件)[+ 2]
    5.石油ストーブ     (火災     12件)[- 8]

   (*)  消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。
   (*1) 石油、電気、ガス等の種別が受付時に判明していないもの

 ◇今回、フライパンの事故情報が過去に起きた分の報告もあったため、17
  件になりました。調理中に、フライパンの取っ手が外れたり、折りたたみ
  式の取っ手が折りたたんだりする事故で、そのため、手に加熱された食品
  がかかって火傷になっている場合もあります。
 
 ◇石油ストーブは、給油していると燃え広がったなど、給油時に起きた火災
  事故も含まれています。石油ストーブや石油ファンヒーターの給油の際に
  起きた火災事故は、NITEで収集されている同製品の事故情報の多くを
  占めます。給油するときは、必ず消火し、カートリッジタンクの口金がき
  ちんと締まって灯油の漏れがないか確認するようにしてください。また、
  何かにぶつけて口金が曲がってしまい、きちんと締まらずに事故に至った
  ケースもあります。石油ストーブなどの燃焼器具の事故は、火災など大き
  な事故になる場合が多いので、少しでも異常に気づいたら、点検や修理に
  出すようにしてください。

  ◆◆◇ 事故情報収集制度対象外の事故(1月25日~2月7日収集) ◇◆◆

◇工場のガス湯沸器が不完全燃焼(2/3 新潟県)
 工場で、調理用具の洗浄を行っていた従業員10人が頭痛などで病院に搬送
された。警察では、業務用瞬間湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒が原
因とみて調べている。

◇トラックのエンジンから出火(1/31 静岡県)
 高速道路で、オーバーヒートして路肩に停車中だった14トントラックのエ
ンジン部分から出火して全焼し、道路沿いの斜面を焼いた。

◇美容室のガス給湯器で不完全燃焼(1/28 兵庫県)
 美容室で、従業員4人が頭痛やめまいで病院に搬送された。警察では、店内
から微量の一酸化炭素が検出されたことから、業務用ガス給湯器の不完全燃焼
が原因とみて調べている。

◇焼肉店の排気ダクトを焼損(1/13 愛知県)
 焼肉店から出火して、壁の一部と排気ダクトを焼損し、女性2人と女児2人
が煙を吸って病院に搬送された。警察では、ロースター内の残り火がダクト内
に入り引火したとみて出火原因を調べている。

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         2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース
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◇「電子レンジ加熱式湯たんぽによる加熱時の火傷事故の再発防止について
 (注意喚起)<No.79>(2007/02/06) 」
 【詳細】 http://www.jiko.nite.go.jp/news/news79.html

◇「株式会社大旺インターナショナルジャパンが輸入・販売した電気ストーブ
 (ハロゲンヒーター)に係る注意喚起ついて<No.78>(2007/01/18) 」
 【詳細】 http://www.jiko.nite.go.jp/news/news78.html

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            3.社告・リコール情報
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◇京セラ「自然循環式太陽熱温水器」(無料点検及び無料修理)(H19/02/05)
◇大作商事「エアサプライ専用充電器・充電池セット」
 (販売中止・商品回収)(H19/02/01)
◇アルプス電気株式会社「名刺作成用プリンタ」(無償修理)(H19/01/29) 

 上記は、こちらからご覧ください
        → http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html

◇松下電工株式会社「マッサージ椅子」(無料点検及び処置)(H19/01/31)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070131d.html

◇株式会社シー・アイ・シー(輸入元)株式会社ヤマダ電機(販売元)
 「ハロゲンヒーター」(製品回収)(H19/01/31)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070131b.html

◇パロマ工業株式会社/株式会社パロマ 「ガス給湯器(再社告)」
 (無償点検・回収)(H19/01/31)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070131c.html

◇株式会社バンダイ「玩具」(商品回収・交換)(H19/01/29)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070129.html

◇三洋電機株式会社「洗濯乾燥機」(無料点検・修理)(H19/01/26) 
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070126.html

◇株式会社アイ・オー・データ機器 「32V型液晶テレビ」
 「液晶テレビ」(製品の点検もしくは同等の製品と交換)(H19/01/24) 
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070124.html

◇キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社
 「複写機」(無償点検・トラッキング現象発生防止措置)(H19.1.19)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070119.html

◇株式会社INAX 「電気式浴室換気乾燥暖房機 (再社告)」(H19.1.11)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070111.html

◇株式会社ジェイテックス「すのこソファベッド」(H18.12.22)(注意喚起)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061222a.html

◇任天堂株式会社「携帯ゲーム機用ACアダプタ」
 (無償で部品交換(ACアダプタ))(H18.12.15)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061215b.html

◇大阪ガス株式会社「ふろ釜」 (点検および部品交換)(H18.12.13)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061213a.html

◇株式会社アイアン「電気ストーブ(ハロゲンヒーター)」(H18.12.12)
 (H18.11.15に行った社告の再社告) (無償で製品交換)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061212e.html

◇三菱電機株式会社 「照明器具 (シャンデリア)」
 (無償で部品交換(ガラスグローブ))(H18.12.5)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061205b.html

◇株式会社ツナシマ商事 「ガス衣類乾燥機(再社告)」(H18.12.5)
 (平成16年12月15日に行った社告の再社告) (点検・サービスの実施)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061205a.html

◇株式会社ユー・エス・ジェイ/株式会社ピー・シー・エー 「電動玩具」
 (製品回収)(H18.12.1)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061201.html

◇有限会社木村製作所 「乳幼児用テーブルチェア ケーズデザイン
  フックオンチェア」(製品回収)(H18.11.28)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061128b.html

◇株式会社シー・アイ・シー/ヤマダ電気株式会社「ハロゲンヒーター」
 (製品回収)(H18.11.15)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061115.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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            5.関係機関の製品安全情報
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 ◆◆◇ 全国6都市で改正消費生活用製品安全法の説明会を開催  ◇◆◆

 経済産業省は、「改正消費生活用製品安全法の説明会」を全国で開催します。
対象は、消費生活用製品の製造事業者、輸入事業者、販売事業者、消費者等で、
参加費は無料です。

    大阪  2/21(水) グランキューブ大阪(大阪市北区) 
    新潟  2/26(月) 朱鷺メッセ(新潟市万代島)
    神戸  3/ 5(月) 神戸市教育会館(神戸市中央区)
    名古屋 3/ 7(水) 名古屋市教育センター(名古屋市熱田区)
    京都  3/15(木) 国立京都国際会館(京都市左京区)
    札幌  3/19(月) 札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)

     各会場 14:30~16:00

【問い合わせ先等詳細】
  http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/index.htm

 ◆◆◇  「野球及びソフトボール用胸部保護パッド」  ◇◆◆
    「プラスチック浴そうふた」「住宅用金属製脚立」
    「自転車用幼児座席」のSG新基準の策定について

 経済産業省が、財団法人製品安全協会にSG基準の制定及び改正を要請して
いたところ、同協会は、1月29日に安全管理委員会を開催して「野球及びソ
フトボール用胸部保護パッド」のSG基準制定、「プラスチック浴そうふた」
「住宅用金属製脚立」「自転車用幼児座席」のSG基準改正について審議を行
い、新SG基準を策定しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070201006/20070201006.html

    ◆◆◇ 三洋電機株式会社製洗濯乾燥機の  ◇◆◆
        リコールにかかる再社告について

 三洋電機株式会社は、同社製洗濯乾燥機の一部機種でヒーター部のリード線
接続不良による火災事故が発生したことから、平成16年9月7日にリコール
を開始し、進捗率の向上に努めていたところですが、社告後においても未改修
の製品から4件の事故が発生したことから、1月27日に再度の新聞社告を行
ないました。
 経済産業省は、事故防止の観点から、該当機種の洗濯乾燥機を使用している
消費者に使用の中止と、早急に同社が設けるフリーダイヤルへの連絡を呼びか
けています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070126002/20070126002.html

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             6.事故100選
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 NITEや試験研究機関が事故原因究明をした事例に、その事故原因が安全
な製品を設計する上などで参考となる事例が多数存在します。これらの事例を
風化させてはならないと考え、当時の状況を事故100選としてご紹介してい
ます。

      第14回「自転車用空気入れの破損事故」(前編)

◇1999年、自転車用空気入れでタイヤに空気を入れていたところ、突然ハ
 ンドル部が2つに折れ、心棒(以下、ピストンロッド)が飛び上がって使用
 者の眉間に当たり、2針を縫うという事故が発生しました。被害者によると、
 事故品は3、4年前に購入したもので、月2回ほどの使用頻度でした。

◇ハンドル部は合成樹脂製で、ピストンロッドとの接合部分で2つに折損して
 いました。ハンドル部とピストンロッドは、ハンドル部の内部に埋め込まれ
 たナットに、ピストンロッド先端を直接ねじ込んで接合されていました。事
 故品の観察では、ハンドル部の表面に、変形による白化(無理な力が加わり
 白くなった部分)や劣化によるひび割れ等の異常は認められませんでしたが、
 折損波面には大きな空洞が確認できました。

◇赤外分光光度計による分析で、ハンドル部はポリエチレン樹脂と判明しまし
 た。ポリエチレン樹脂は、ハンドル部の材料としては従来から使用されてい
 るものです。次に、実体顕微鏡で折損波面を観察したところ、ストライエー
 ションの模様などから、ピストンロッドをねじ込んでいる部分(ねじ部)の
 3ヶ所に破壊起点があり、繰り返しの応力で各起点から破壊が進行している
 ことが確認できました。まず、空洞によって強度が低下した2ヶ所の起点に
 応力が集中して破壊が進行し、もう1ヶ所の起点に応力が集中したため、そ
 こから亀裂が進行し、最終的に折損に至ったものと考えられます。

                            (後編に続く)

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              8.編集後記
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 昨年の12月から、国際会議で交流のあった海外機関の担当者宛に、事故情
報特記ニュースなどの英訳版をメールで月1回配信しています。英語が苦手な
ので文章には携われませんが、いずれできるようになりたいと思いながら配信
などの作業をしています。通勤時間を利用して教材を聴いていますが、道のり
はかなり遠いような・・・。 
 
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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図